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縫合せずに半月版治療

2007-09-20 15:47:34 | 健康・病気

000_0376jpg03jpg_1 ひざの関節でクッションの役割をし                              ている半月版は、スポ-ツなどで割                             れることがある通常は断裂部を縫い                             合わせるが、大阪中央病院では、                              縫わずにひざを固定し、修復につなげ                            る治療を行っている。自然治癒力を                             利用した手法で体への負担が少ない                            という。半月版は、ひざ関節の左右に あり、大腿骨と、すねの頚骨          の間で、 ひざに掛かる体重や衝撃を分散し、和らげる。上から見る                            と三日月形をしており、幅約1・5㌢。軟骨に似た組織で弾力性が                            あるが、スポ-ツで着地やひざをひねった際に 断裂することがある。 

000_0376jpg04_2 症状は、痛み、関節が動かない、歩けないなど。                          以前は、一度割れた半月版は治らないとされ、                           放置すると割れた部分が邪魔になって痛みや                            晴れがひどくなるため、切除するのが一般的だ                            った。ただ、半月版がなくなると、大腿骨と頚骨                           の表面にある軟骨が直接当たってすり減り、再                            び痛みが起きやすく「切除を避け、温存した方が                           いいとの流れが出てきた」と同病院の井上雅裕                           整形外科部長は解説する。

    

    

      

          

       

    

      

1980年代には、米国の研究者が半月版にも血行があると報告。                            血流があれば、割れてもくっつく可能性があるとして、損傷部を縫                             い合わせる治療法が広まり、現在も主流となっている。同病院で                             も縫合手術をしていたが、15年ほど前に、バレ-ボ-ルで着地                             時に半月版を損傷した女子高校生が来院。半月版は大きく割れ、                            片方の組織が関節の中心部に移動していたため、井上部長らは                             まず、手術でこの組織を元の位置に戻した。約三ヶ月後、縫合し                             ようと内視鏡で観察したところ、割れたところが自然にくっついてい                           た。これを機に「環境さえ整えれば、症例によっては縫わなくても                             自然に治る」と考え、縫合法と並行して90年前半から、縫合しな                             い治療を始めた。この治療では、ひざに約5㍉の穴を二つ開けて                             内視鏡や器具を入れ、ずれた半月版を元の位置に押し戻す。修                             復力を高めるため、金属製のやすりで断裂部をこすって出血させ、                            手術は終了。ひざを伸ばした状態で約3週間固定する。縫合法の                            ような数㌢の皮膚切開は必要なく、手術翌日には松葉杖を使わず                            に歩くリハビリを開始。ひざに体重をかけることで患部の接着力が                            増すという。初期に実施した五十八人で、手術から約三ヵ月後の                             状態を評価。すると、半月版の外側から5㍉以内の、血行が豊富                             な部位を損傷した五十一人では、うまくくっついた率(癒合率)は                             94%。一方、5㍉を超える血行が乏しいところを損傷した七人では                            29%に低下した。癒合した中で追跡調査できた四十八人中、三年                           半の間に再断裂したのは五人だった。井上部長は「5㍉以内の症                            例では癒合率は、再断裂とも、縫合した場合と同じか、それ以上                             の成績だと分かったので、5㍉以内を適応の目安に二百人以上に                            治療をしてきました」と話す。治癒には、血液に含まれる白血球な                            ど組織の修復を促進する物質が働いていると考えられ、皮膚の傷                            が自然に治るのと同じ仕組み。老化に伴う損傷には縫わない治療                            は行っておらず、血行がない部位の損傷やばらばらに割れたケ-ス                           では切除が必要になる。

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