東北大など発表 多様な種類に分化する能力
人間の皮膚や骨髄の中に、さまざまな細胞に分化する能力を持つ「多能性幹細胞」が存在するとの研究結果を東い北大の出沢真理教授らと京都大のチ-ムが20日付け米科学アカデミ-紀要(電子版)に発表。「Muse(ミュ-ズ)細胞」と名付けた。増殖力は高くないが、出沢教授は「そもそも生体内にある細胞で、遺伝子導入など特別な操作を必要とせず、腫瘍化の危険性は低い」と安全面の利点を強調。胚性幹細胞(ES細胞)や人工多脳性幹細胞(iPS細胞)に取って代わるものではないが、再生医療に利用できるとの見方を示した。出沢教授らは、体の中に多能性幹細胞が存在し、ストレスを受けると活性化すると想定。人間の皮膚の線維芽細胞や骨髄の間葉系細胞を酵素で処理しストレスをかけると、ES細胞に似た細胞の塊ができ、これをMuse細胞とした。一定の大きさまでは成長するが増殖は止まった。別の方法で培養すると神経(外胚葉系)、筋肉(中胚葉系)、肝臓(内胚葉系)というそれぞれ別系統の細胞に分化。多能性を確認したとしている。
再生医療での利用目指す
細胞表面の特定の目印を識別する方法で、骨髄液から直接Muse細胞を取り出すことができた。培養方法を組み合わせると増殖も可能だった。マウスの実験で皮膚、筋肉、肝臓を傷つけMuse細胞を投与すると損傷組織に生着し、その組織の細胞に分化した。
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