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うがい薬自浄作用を損ねる?

2008-12-15 15:00:00 | 健康・病気

粘膜の「線毛」の運動低下 ■東京女子医大など研究

細菌やウイルスがのどから体内に入るのを防ぐのに、重要な役割                              を果たしているのが粘膜にある微細な「線毛」の運動。この働きをう                             がい薬が低下させるとの動物実験の結果が最近、発表された。洗                              浄や殺菌のために行ううがいが、逆に体の自浄作用を損ないかね                              ないというのだ。研究を行ったのは東京女子医大第一内科の玉置                              淳教授と、ライオン生物科学研究所副主任研究員の小池泰志さん                                  ら。のどや鼻の気道は、入ってくる空気を加湿・加温する粘膜で覆                               われている。その表面にじゅうたんの毛並みのように無数にあるの                             が線毛だ。線毛の上には粘液層があり、入ってきた細菌やウイルス                             はここに付着。その後、「健康な状態なら、線毛が一斉に運動するこ                              とによってベルトコンベア-上を動くように体外へ排出される」(小池                             さん)という。繊毛の動きが遺伝的に弱い人などは感染症にかかり                              やすいという。研究チ-ムはうがい薬の作用を調べるため、ウサギ                              の気管の粘膜を使い、線毛運動を評価する方法を開発。5種類のう                             がい薬を使い、実際の使用濃度でそれぞれ線毛にたらして運動の                               変化を調べた。その結果、運動の活発さは薬をたらした時点を1と                               すると、5-7分後までにすべての薬で0・6-0の範囲で低下した。                             水道水でこうした変化はほとんど起きなかった。研究チ-ムが原因                              として着目したのが塩分濃度。「うがい薬は水で希釈するため、塩分                             濃度が生体内より低くなる。これが浸透圧の差となって線毛運動に                              も影響を及ぼすと考えた」と小池さん。希釈後の塩分濃度を生体内と                            同じにするため、うがい薬の溶媒としてアルコ-ルの一種プロピレン                             グリコ-ルを使用したところ、線毛運動の低下は抑えられた。殺菌効                            果は変わらなかったといい、小池さんは「うがい薬も、塩分濃度を適                             切にすれば線毛運動と両立できる」と話す。

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