道立道南農業試験場研究部長 赤司 和隆 太陽熱と酸素不足で駆除
30年ほど前に奈良県農業試験場が中心となっ て、薬剤によらない画期的な土壌病原菌の駆除 に有効です。今では全国に普及し、主にハウス で利用されています。この消毒は地温か゛高まり やすい夏季に行います。稲わらなどの有機物を 畑に投入し、十分な水を散布(かん水)します。次にビニ-ルフィルム で土の表面を約1ヵ月覆い、地温を上昇させることで土壌病原菌の 死滅を図るのです。病原菌の種類にもよりますが、糸状菌は40度 以上以上の地温が合計で100時間以上保たれると、死滅するようで す。冷涼な道内でも夏季の消毒時には40度以上に地温が上がるた め、キュウリつる割り病、トマト半身委凋病、ホウレンソウ土壌病害な どへの効果か゛認められています。かん水や有機物の分解に伴い土 壌が還元状態(酸素不足)となり、このことも病原菌の死滅を促すよう です。太陽熱土壌消毒とは熱と酸素不足のダブルパンチで病原菌を 死滅させる消毒法と言えます。なお、植物寄生性線虫や雑草種子の 駆除にも効果か゛期待できます。
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