飲み込む瞬間渇き解消=當瀬則嗣解説
暑さが続くと、冷たい飲み物や冷たい食べ物が欲しくなりますね。 暑いときに冷たいものを口にするのは、冷たいものが体を冷やすか らと思っている方も多いようです。でも、実はそうではありません。 体温は脳で一定に調節されているので、冷たいものを口にして体 温がすぐに下がるわけではありません。それに、冷たいものを口に 入れても、のどを通過して胃に入るころには体温でかなり温められ、 体温と同じになってしまいます。つまり、体温を下げるのではなく、 食べ物や飲み物の冷たさを感じることが大事なのです。でも、口の 中に水や氷を含んでそのままにしていても、涼しさを感じる場面は 少ないのではないでしょうか。実は、人は、冷たいものを飲み込む その一瞬に、涼しさを感じています。つまり「ノド越しの冷たさ」が、 大事なわけです。それには理由があります。人が暑さを感じるとき には、すでに体温調節のために発汗が起っていて、軽い水分不足 になっています。そこで、水分不足のサインである「口渇感」を感じ ます。これは、体全体のことなのですが、「のどの渇き」と表現され るように、人はノドに感覚か゛あるように感じています。そこで、口渇 感を癒すのには、冷たいものがノドを通過する刺激が一番効果的な のです。例えば、ノド越しのよい、冷たいおそばなどのめん類をよく 食べます。ビ-ルもそうです。冷たいと炭酸の効果でのどを刺激し ますので渇きに最適です。ただし、アルコ-ルは排尿を促進して体 から水分を失わせるので、ビ-ルでは脱水状態が改善しません。 ですから、真夏のビアガ-デンでは、ビ-ルのほかに、水分補給を 心がけてください。(とうせ・のりつぐ=札医大医学部長)
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