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骨粗しょう症<日ごろの予防が一番>

2008-03-28 17:00:00 | 健康・病気

青少年「食べて運動“骨の貯金”を」                                              中高年「骨密度知って対策講じて」

100_0633 骨の強度が低下して折れやすくなる骨粗しょう                           症。閉経後の女性やお年寄りに多く、国内患者                           は推計1千万人以上とも言われる。先月下旬、                           天皇陛下が前立腺がんのホルモン治療の副作                           用で同症になる可能性があると、発表されたが、どんな病気なのか、               専門医に聞いた。骨も体の他の部分同様、新陳代謝で絶えず古い                            骨が壊され、新しい骨がつくられる。だが栄養不足やホルモンの変                           化などでこのバランスが崩れ、つくる量より壊す量が多くなると、骨                            量(骨密度)が減り、骨の室が低下し、同症となる。「70歳で女性の                           40%、男性の13%がこの病気。患者の割合は高血圧や糖尿病と                           変わらない。骨量が減るだけでは、自覚症状があまりない」と話す                            のは、札幌清田整形外科病院(札幌市清田区)の副院長、片平弦                            一郎さん(52)だ。だが同症でお年寄りが骨折すると「日常生活の不                           便だけでなく、内臓障害や認知症などを引き起こしたり、寝たきりの                           要因になる。時には命にもかかわる」と指摘する。骨量は通常、10                           代後半あたりで頂点に達し、その後一定の値を維持した後、年齢と                           ともに減少する。特に女性は閉経後、骨が壊れるのを抑える働きを                            するホルモンが減る。同症の検査は、この骨量を測る骨密度測定が                           中心になる。最新の「骨粗鬆の予防と治療ガイドライン」(専門家でつ                           くる同ガイドライン作成委員会が編集。ライフサイエンス出版刊、220                           5円)では、骨密度が健康な若い人(20~44歳)の平均値に対し、                           80%以上は正常、80~70%は減少に要注意、70%未満を骨粗し                           ょう症と診断する。骨が弱くなり軽い力で骨折した場合には70%未                           満でなくても同症と診断する。

100_0634 どんな人がなりやすいのか-。片平さんによると、                          高齢や閉経後の女性のほか、やせて小柄、家族                          に同症の人がいる、運動量が少ない、カルシウム                          摂取が少ない、アルコ-ルやコ-ヒ-の多飲、た                           ばこをたくさん吸う、胃腸や婦人科の手術歴、糖尿                          病や甲状腺の病気など。もちろん変えられるもの                           を改善すれば予防に結びつく。治療は、骨を丈夫にする栄養や運動の               指導、薬物療法やリハビリ。骨折した場合は手術などがある。「最近                          は骨量を維持したり、増やすことで、骨折を防ぐ効果的な薬もある」と                          いう。宮内庁などによると、天皇陛下は骨密度低下を防ぐために、ほ                           ぼ毎日運動する必要があり、御所には水中歩行器も用意された。「骨                          粗しょう症は、日ごろからの予防が一番」と説く片平さんは、予防法と                           して転倒や骨折を防ぐ運動と、骨づくりの栄養を挙げた。運動は、体力                         や体の状態に合わせた無理のないものなら何でもよいという。手軽な                          のはウォ-キング。家事で体を動かすのもいい。栄養は「カルシウムと、                         カルシウムの吸収を助けるビタミンD、骨を強くするビタミンKの摂取が                          大切。ビタミンDには転倒抑制の効果もある」。カルシウムは牛乳・乳                          製品、大豆製品、小魚などに多く含まれている=図参照=。片平さん                          は「骨量が増える青少年期にバランスよく食べ、よく体を動かし、“骨                           の貯金”を。中高年は自分の骨密度を知って、維持や減少を抑える対                          策を講じよう」と呼びかけている。

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