山形県産「さわのはな」 アイガモ農法応用 農薬への弱さ克服
味の良さで知られていたが、農薬に弱く大量生産に適さないとして市場から姿を消した山形県産米の「さわのはな」が近年、有機農法などにより徐々に栽培量を増し“伝説のコメ”の復活と話題を呼んでいる。 さわのはなは1960年に山形県が開発。おいしく冷害にも強いとして県の奨励品種になったが、精米すると小粒になるほか、化学肥料で味が悪くなる欠点もあり生産されなくなった。山形県長井市で復活に取り組んだのは農業遠藤孝太郎さん(58)と横沢芳一さん(58)。自家用に育てていた農家から種もみを譲り受け、95年に栽培を開始。当初は化学肥料や除草剤も使ってみたが、うまく育たず「田から消えた理由が分かった」という。2人は99年、先進的な有機農法で知られた宮崎県綾町を訪れ、町ぐるみの堆肥作りやカモを放し飼いする「アイガモ農法」を学び、さわのはな作りに応用。収量を追求せず、目の届く範囲で丁寧な栽培を心掛けることで、徐々に安定した栽培を可能にし、昨秋約5・5㌶の田から約20㌧を収穫した。おいしさが口コミで広がり、お得意さまは全国で約300軒に。栽培を希望する農家に種子の配布も始めた。ほかの農家も含めた県全体での作付け面積は昨年までに約45㌶に拡大したという。遠藤さんは「この秋ねおいしく安全なコメをみなさんに届けたい」と意気込んでいる。
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