石綿吸引原因の症状 岩見沢・労災病院 本田技師が考案「発見率 確実に上昇」
[岩見沢]アスベスト(石綿)を吸い込むことで 肺を包む胸膜の一部か゛厚くなる症状「胸膜プラ -ク」の新しい診断法を、岩見沢市の北海道中 央労災病院の放射線科技師、本田広樹さん (41)が考案した。胸膜プラ-クの有無は、石 綿による肺がんなどの労災認定の重要な指標と なる。この診断法で、より正確な診断が可能になり、患者の負担も軽 減できるといい、関係者の注目を集めている。胸膜プラ-クは従来、 エックス線撮影や、体を輪切り状に撮影するコンピュ-タ-断層撮影 装置(CT)の画像で判断していた。しかし、プラ-クの厚さが薄い場 合、肋骨の間を走る静脈との区別が困難なため、造影剤を使ったCT 画像の再撮影が必要しなり、わずかながら副作用の危険性もあった。 本田さんは、CT画像を使ってパソコンで加工し、胸部を立体的に表示 する3次元(3D)画像を作成する方法を考案。静脈との区別が鮮明に なり、診断の精度が上がった。同病院は、この診断法で既に約8百人 を検査。まだデ-タは、まとまっていないが「胸膜プラ-クの発見率は 確実に上昇した」(木村清延院長)という。呼吸器系疾患が専門の北 大病院第一内科の西村正治教授は「専門医でなくても、より正確に胸 膜プラ-クを見つけることができる」と指摘。胸膜プラ-クが発見でき ず、労災認定から漏れていた患者もいるとみられ、「メリットは大きい」 と評価している。本田さんも「2年がかり考案した方法で、多くの方の 役に立ってほしい」と話す。平成20年3月には日本職業・災害医学会 で発表。その内容が評価、11月18日に労働健康福祉機構から表彰 を受けた。北海道労働局によると、1998-2007年度に、石綿によ る肺がんし中皮腫で労災認定された人は道内で53人。発症までの期 間が数10年と長いため、今後も患者は増加するとみられている。
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