道立道南農業試験場研究部長 赤司 和隆 症状から障害の原因推定
作物の生育に伴い、さまざまな障害が発生しま す。害虫は目でわかりますが、犯人が見えない 障害でも症状を手がかりある程度の見分けが可 能です。葉や茎に大きな茶色の斑点や病班部 にカビなどが見られる場合は、病原菌が風など によって伝わる空気伝染性病害です。養分の過 不足で起きる栄養障害では、葉に黄化症状や茶 色の壊死班か゛現れます。根の腐敗や「萎れ」を 伴わないのが特徴です。葉の黄化に加え、地上部に萎れが見られる 時には、養水分を吸い上げる根や導管を調べます。腐敗や変色があ れば土壌伝染性病害にかかっています。こぶ状の根は根こぶ病か ネコブセンチュウが原因です。シストセンチュウが寄生している豆類 やバレイショの根には、白色の0・5㍉大のケシ粒のような雌成虫が 付いています。なお、根が正常で萎れる場合には、水分不足、極度 の高温・低温の影響がありそうです。このような肉眼による診断には 「論より証拠」、各種障害の写真が有効です。道内ではスイカ、トマト などの栄養障害やメロンの生育障害を紹介する写真集が北海道原 子力環境センタ-(後志管内共和町)農業研究科で作られています。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます