゛まるかん人゛プラトーク

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生きるしくみ<からだを知る>

2008-07-05 16:10:00 | 健康・病気

位置関係や運動、全身神経で=當瀬規嗣解説

大抵の方は、歯の治療で麻酔をかけられた経験をお持ちだと思いま                          す。そのときのことを思い出してください-。麻酔は、ほおの表面ま                            で効いているほおの部分は、なくなってしまったような感じがしませ                           んでしょうか。そこを指でさわると、ほおが確かにあるのですが、とて                           も変な感じがします。指はほおの存在を感じることができますが、ほ                           おは指を感じることができないからです。このことは、普段、私たちは                          ほおの存在をさわらなくても知っているということです。ほおに分布し                           ている神経が、ほおの存在を脳に伝えているということです。これを                           「固有感覚」といいます。麻酔のせいで、固有感覚がまひしてしまう                           のです、このような奇妙な感じを受けるわけです。事故などでは片脚                           を失った人が、傷が完治した後に、ないはずの脚の存在を感じること                           があります。これは、残っている脚の神経の切れ端が反応して、脳が                          それを脚からの情報と認識してしまうからです。これを「幻肢(げんし)」                          といいます。固有感覚の存在を示す一例です。ところで、「位置覚」と                          「運動覚」の2種類があります。位置覚は、手足や顔など位置関係を                          常に把握するための感覚で、例えば、自分のひじや肩が曲がってい                           るのか、伸ばされているのか、感じ取るものです。運動覚は、体のさ                           まざまな部位の運動の強さや速さなどを知る感覚です。つまり、私た                           ちは固有感覚なしに体を適切に動かすことはできないのです。こうし                           た固有感覚を感じ取る神経は、全身の皮下組織、筋肉、骨、関節な                           どに広く分布しています。私たちは体を実感しながら日々生活してい                           るのです。(とうせ・のりつぐ=札医大医学部部長)

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