゛まるかん人゛プラトーク

元気とキレイを追求すると、人生は楽しく過ごすことと・・・!?

専門医を訪ねて「乳がん手術」

2009-04-27 13:59:00 | 健康・病気

札幌乳腺外科クリニック院長 岡崎 稔さん                                           独自技術で正確に範囲把握“切除際小さく乳房温存”

100_1198 食生活の欧米化や少子化で増えているのが乳がんだ。外科手術が第1選択とされるが、大切な乳房の温存を願う女性は多い。クリニックながら大学病院を超える高度な診断技術で、こうした願いをかなえる。札幌乳房外科クリニック(札幌市中央区)の岡崎稔院長(60)。同クリニックの2007年の乳がんの手術件数は道内最多の396件、昨年も409件と全国的にも10指に入る。岡崎院長はうち150件を手がける。乳房を残す乳房温存率は69%(昨年)の高率だ。当初、消化器外科医として勤務した北海道がんセンタ-(同市白石区)で乳がん診療の基礎を知った。注射針で細胞を取り出してがんを診断する細胞診で学位論文を取ろうと、乳腺の分野に進んだ。「当時、乳がん患者が少なく、札医大でも年に30-40件の手術しか行われていなかった。早期の診断法もなかった。消化器の胃カメラのように早期発見できる方法はないか、との思いだった」と振り返る。78年に札医大に戻り、臨床病理部に所属して細胞診の研究に着手。直径わずか0・8㍉という針を使い、機械で細胞を取り出す「自動穿刺吸引塗抹装置」を開発した。当時は注射針で細胞診が行われていたが、細胞を採取できないことが多く、画期的だった。夏休みを利用し、その機械を使った乳がん健診がスタ-ト。4年間でがんの疑いのある250人分の細胞を収集、顕微鏡とにらめっこした。「大学病院でもおこなわれていない検査だった。細胞の結合性、大きさ、染色体などを調べ、がんとそうでない細胞の区別が分かるようになってきた。今では96%の確立でがんを識別できる」機械は現在も、同クリニックのほか、札医大系の病院や東京医大(東京)などで使用されている。93年、ヘルシンキ大(フィンランド)に国際交流医として派遣され、ヨ-ロッパの乳がん手術を学んだ。当時の日本は、がんを取り残さないようにと、乳房ばかりでなく、その下の筋肉やリンパ節まで切除するのが標準治療だった。ところが、フィンランドて゜はがんの部分だけを細く、小さく切除するという現在の乳房温存手術に近い手法が取られていた。「最近はこんな方法でいいのか、と思ったが、参考になった」乳房温存には何が必要か-。96年、札医大放射線科の技師と磁気共鳴像装置(MRI)の画像を立体的に再現するソフトを開発した。これにより地図のようにがんの広がりが正確に分かるようになり、細胞診と合わせ、がんの診断力が向上。切除範囲を小さくすることが可能になり、高率で乳房を温存することができるようになった。「MRIの画像だけでは判断を誤ることもある。基礎的な病理診断を行うことが大切」と力を込める。乳がん健診の普及や検査機器の進歩で、最近では早期がんの発見が増加。1㌢以下のごく初期のがんには日帰り手術も行っている。「乳がんは10年も乳菅に潜み、しこりがない人もいる。早期発見が大切で、ぜひ定期的に検診を受けて」と訴える。実弟2人も乳腺外科医というユニ-クな家系だ。

<プロフィル>

おかざき・みのる 1974年札医大卒。77年北海道がんセンタ-、78年札医大臨床病理部、89年札医大第1外科講師。93年フィンランド・ヘルシンキ大。98年札幌乳腺外科クリニック開設、院長。2008年4月札医大第1外科臨床教授。北見市生まれ。

コメント    この記事についてブログを書く
« 現代読書灯(ナビ)<環境> | トップ | 遺伝子使わずiPS細胞 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

健康・病気」カテゴリの最新記事