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縞模様の中の秘密「當瀬規嗣解説」

2008-01-24 16:00:00 | 健康・病気

間隔狭まると筋肉収縮

筋肉が収縮する源は、1本1本の細長い筋原線維に規則正しく並ん                            でいる横紋と呼ぶ横縞模様にある、というところで前回終わりました。                          今回は、この横縞の正体としくみを解き明かしましょう。筋原線維は、                          「フィラメント」と呼ぶ、さらに細いたくさんのタンパク質の線維が縦に                           束となつてできています。フィラメントには「太い」ものと「細い」もの、                           二種類あります。横縞が見える部分は「太い」フィラメントが縦に積み                          重なって、帯状になっている場所です。ここではさらに「太い」のと「細                           い」二種類のフィラメントが交互に重なっています。縞と縞の間は、縞                          の部分から連なっている「細い」フィラメントしかありません。ですから                           色が薄く見えるというわけです。ところで、筋肉が縮むときは、この縞                           と縞との間隔が狭くなります。筋肉が刺激を受けると、「太い」フィラメ                           ントから出ている<ひげ>が、隣接する「細い」フィラメントにくっついて、                         縞がある部分へ引っ張ろうとします。しかし、「細い」フィラメントは、両                          隣の「太い」フィラメントから同時に引っ張られるので動かず、むしろ両                           隣の「太い」フィラメント同士の距離が近くなり、これで縞の間隔が狭く                          なるのです。こうしたしくみで、筋肉は縮みます。でも、もとのタンパク                          質(二種類のフィラメント)自体は縮まりません。この現象は、二種類                           のフィラメントを用意さえすれば、試験管の中でも再現することができ                           ます。「筋肉が縮む」という体の中の不思議な現象が、科学の力で解                          明されているんです。ちょっと感動しませんか?。                                      (とうせ・のりつぐ=札医大医学部長)

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