脂の取り過ぎ、急なダイエットで
脂肪肝といえば、酒飲みや肥満に伴う病状と思 われがち。しかし、最近、飲酒習慣がない人や、 急激なダイエットを試みた人にも増えているという。 脂肪肝は放すると、肝硬変や肝臓がんになる例 もあり、専門家は注意を呼びかけている。「酒も飲まないのになぜ・・・」。 札幌市の女性Aさん(52)は昨年末、脚の骨折で入院した市内の病 院で慢性肝炎と言われた。身長160㌢、体重52㌔。脂っぽい物や 菓子に目がなく、毎日、ラ-メンとケ-キを食べる。精密検査で、ウ イルスや酒以外の原因で脂肪肝から肝炎に進んだNASH(ナッシュ) (非アルコ-ル性脂肪肝炎)と診断された。炎症を抑える薬を飲んで いるが、肝か゛んになるのではと、不安は尽きない。
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札幌センチュリ-病院の岡本宗則院長(肝臓内 科)によると、肝臓にはアルコ-ルの分解のほか、 脂肪や糖を別な成分に合成し、栄養として送り出 す働きがある。食べ過ぎて゛合成が追いつかなく なったり、酒の分解で脂肪処理まで手が回らなか ったりすると、肝臓に脂肪肝がたまったりすると、 肝臓に脂肪がたまってゆく。脂肪肝は肝臓内の脂 肪が30%以上になった状態だ。全国の人間ドック集計(日本人間ドッ ク学会)では、大半を脂肪肝が占める「肝機能異常」は1984年に受 信者の9・6%だったのが、2006年には26・2%に上った。94年以 降、酒の消費量は減少傾向のため、非アルコ-ル性の脂肪肝が増え ているという。岡本院長は脂肪肝増加は、脂や糖分が多い欧米型の 食事や運動不足が影響しているとみる。「脂肪肝になると、糖尿病や 高血圧などを併発している場合が多い」と警告する。
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非アルコ-ル性の脂肪肝は減量で治る場合がほとんどだが、問題 はNASHに進むことだ。日本肝臓学会によると、脂肪肝の一割に及 び、一部は肝硬変や肝臓がんになる。患者は100万人ともいわれ、 肝臓で発生した活性酸素や鉄などが作用しているという。恵庭市の 女性Bさん(25)は身長155㌢体重48㌔。昨年、やせようと、水分以 外は3食ともリンゴ一個でしのいだ。1ヵ月で4㌔減ったが、検診で脂 肪肝とわかった。こうした症状を日大の高山忠利教授(肝臓外科)は ダイエット脂肪肝と指摘する。「急激なダイエットで体内のタンパク質 が不足すると、脂肪が排出されにくくなり、肝臓にたまる」と解説する。 非アルコ-ル性脂肪肝を防ぐにはどうすればよいのか。みどり野医院 (空知管内南幌町)の牧野夢津管理栄養士は「バランスのいい食事と 1日30分の歩行運動を」と話す。①肉は脂の少ない鶏に、サラダはノ ンオイルドレッシングで②脂肪肝で貧血でない人はレバ-やシジミな ど鉄の多い食品の大量摂取を避ける-と助言している。
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