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土と作物のはなし<微生物が有機物を分解>

2008-01-23 15:00:00 | うんちく・小ネタ

道立道南農業試験場研究部長 赤司 和隆

100_0506 土壌には肉眼では見えない各種微生物が1㌘                            当たり数億いると言われています。中でも量が                            多く、重要な働きをするのが糸状菌と放線菌、                            細菌です。これらのうち酸素を必要とする好気性                           のものは畑に施された有機物をエサに繁殖し、そ                          の結果有機物を分解します。ここで言う有機物とは生物それ自体、                または生物が作ったものを意味し、作物残さ、緑肥、有機質肥料、                            堆肥および家畜排せつ物などを指します。有機物の構成物質であ                            る糖・アミノ酸、デンプン・タンパク質、セルロ-スなどはおおむねこ                            の順の好気性菌により分解され、最終的には二酸化炭素と水に変                           化します。そのあとには分解されにくいリグニン(植物の骨格を形成                           する繊維物質)が残り、腐植の構成物質となります。腐植も有機物と                          同様、微生物による分解をうけますが、その速度はゆっくりとしてい                           ます。有機物の分解により窒素、リン酸、カリウムなど作物の成長に                          必要な各種養分も土壌中に放出されます。つまり、植物起源の有機                          物に取り込まれていた土壌からの養分は土壌微生物の働きで、再                           び土壌の中に現れ次の作物をはぐくむのです。減化学肥料栽培や                            有機栽培ではこのような土壌微生物による物質(養分)循環が利用                           されています。有機物は養分の富化に有効であるため、昔も今も土                           づくりには欠かせないものです。

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