胸膜プラ-クの新しい診断法を考案した放射線技師
アスベスト(石綿)の吸引で、肺を包む胸膜の一 部が厚くなる症状「胸膜プラ-ク」。胸部を輪切り 状に写すコンピュ-タ-断層撮影装置(CT)の 画像では識別が困難な例もあったが、CT画像 をコンピュ-タ-処理して鮮明に3次元表示する ことに成功し、診断制度を大きく向上させた。石綿吸引が原因で肺 がんになったと労災申請しても、認定条件の一つである胸膜プラ- クが見つからず、認定されない人もいる。「こうした患者さんの役に立 てばうれしい」と語る。石綿製造は2006年に全面禁止されたが、中 皮腫や肺がん発症までに3、40年かかり、現在は発症のピ-クに入 りつつあるとされる。「増加する石綿疾患の診断に対応するため、新 しい方法が必要だと考えたんです。専門書を読みあさり、全国の専門 医に助言をもらいました」。新技術は既に各医療機関でも導入が進み、 患者団体の注目度も高い。北大医療技術短期大学部を卒業後、岩見 沢市の北海道中央労災病院の放射線科技師となって20年目。昨年 11月にはハ-バ-ド大の専門医を交えて東京で開かれた日本職業・ 災害医学会学術大会でも講演した。「医学会で技師が講演するのは 珍しい。緊張しました」と苦笑いする。空知管内栗山町出身。岩見沢市 で妻と中学生の長男と3人暮らし。41歳。
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