頭皮の動脈 急激に拡張=當瀬規嗣解説
気温が上がってくると、冷たいものが欲しくなりますね。とくにアイス クリ-ムやアイスキャンディ-、カキ氷-。冷たくて甘いものは最高 です。キンキンに冷えたのがいいですね、でも、このキンキンに冷え たアイスクリ-ムが苦手な人もいます。せっかく冷えたのに冷蔵庫か ら出して、少し溶けるのを待っています。なぜかというと、冷たくなり すき゛たアイスクリ-ムを口にほおばると、頭痛がでるからなのです。 実は、これを「アイスクリ-ム頭痛」といいます。しかも、医学書に載 っている、有名な反応なのです。この反応は、冷たいアイスクリ-ム に限らず、アイスキャンデ-でも、カキ氷でも、場合によってはよく冷 えたビ-ルでも起ります。よく冷えたものが、とくに口の奥の粘膜を 冷やすと、神経は口だけでなく、鼻やのどの奥も冷えたと認識します。 そこで、のどの奥を温めるために、頭の奥の血管が広がって温かい 血液を流し込みます。血管の拡張はノドの奥だけでなく、頭皮にある 血管も同時に広がります。とくに頭皮の動脈が急激に拡張すると、人 は強い痛みを感じます。そこで、こめかみや頭が痛くなるのです。この ように動脈か゛急激に拡張することによって起こる頭痛は他にもあって、 一般に片頭痛と呼ばれています。つまり、アイスクリ-ム頭痛は、片 頭痛と同じしくみで痛みがでます。でも原因は異なります。片頭痛に は治すための薬が必要ですが、アイスクリ-ム頭痛は我慢すれば治 るからです。アイスクリ-ムで頭痛が起ったからといっても、心配あり ませんよ。(とうせ・のりつぐ=札医大医学部長)
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