道立道南農業試験場研究部長 赤司 和隆 道産米、300年で収穫量7倍
ここ数年、道内の米収穫量は60万㌧台で推移 しています。昨年は新潟県の65万㌧に次ぐ全 国2位の60・3万㌧でした。1人当たりの年間平 均消費量が約60㌔㌘ですので、これは1000 万人が1年間に食べる量に相当します。ところで、 昔の収穫量はどの程度だったのでしょうか。貴重な手がかりが北斗 市に残っています。1949年に建てられた「北海道水田発祥の地碑」 です。碑文には「押上(文月村)のこの地に元禄5年農民作右衛門な る者南部の野田村から移って、人々の定着は米にあるとしてこの地 を拓し、450坪(約15㌃)を開田し、道米10表(現在の2表程度)を 収穫した」と記されており、これが道産米の基礎とされることが北斗 市教育委員会の案内板にあります。なお、元禄5年とは1692年で す。この時の収量を10㌃当たりに換算すると約80㌔㌘です。その後 の農家や関係機関の努力の結果、現在の道内収量は550㌔㌘前後。 300年の間に7倍に増えたことになります。2003年にはこの水田 発祥の地から寒さに強く、おいしい水稲がデビュ-しました。道南農業 試験場(北斗市)で育成された「ふっくりんこ」です。新たな歴史をつ くる予感を感じさせます。
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