早まるとホルモン分泌 理化学研など解明
夜明けの光が照り始める時間が早まることで、生物が春の訪れを知る仕組みを理化学研究所神戸研究所(神戸市) や近畿大(大阪府)、京都大チ-ムが突き止めた。
理研の上田泰己プロジェクトリ-ダ-は「生き物が季節を感じ取り、発情期を迎えたり冬眠したりする生態の一端が分かった。人間でも季節によって気分が浮き沈みする季節性情動障害が知られており、治療に寄与できるかもしれない」としている。チ-ムは、春になると脳内で作られる特有のホルモンを2008年に名古屋大と共に発見していた。今回、マウスに光を当てる時間を調節し、昼間が短い冬の日照条件(昼8時間、夜16時間)で3週間飼育。この状態では、春ホルモンはほとんど分泌されなかった。夜明けを8時間早めると分泌されるようになった。日没を8時間遅らせて昼を長くしても春ホルモンは作られず、夜明けの光で季節変化を認識していることを確かめた。春ホルモンが出るようになるには、夜明けが早まると働き始める遺伝子「Eya3」が必要なことも発見した。成果は米科学誌カレント・バイオロジ-に掲載された。
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