全国の専門医 研究会設立し啓発
温かく消化の良い朝食 運動は「ジムより階段」 手足の冷えや、ひどい肩凝り、食欲不振などの 原因となる血行不良を改善しょうと、全国の専 門医らが「血めぐり研究会」を設立した。朝食に 温かいものを食べたり、日常的に体を動かすな ど、血行を良くするための方法を啓発している。 研究会代表を務める東京女子医大付属青山女 性・自然医療研究所クリニック(東京)所長の川 嶋朗・准教授によると、血行が悪くなると、必要 な栄養素が体の隅々の細胞まで行き渡らず、 老廃物や有害物質の回収も遅くなる。血液には、体の中心部から 抹消まで熱を運ぶ役割もあるが、川嶋准教授は「血行不良で体温 が下がると、タンパク質や合成にかかわる酵素の反応が鈍くなる」と 指摘。これらが引き金となって、免疫などの機能が低下、生活習慣 病やうつ病をはじめとするさまざまな病気につながるのだという。血 の巡りを悪化させる原因はなんだろうか。ストレスの増大や食生活 の欧米化、過剰な冷暖房、運動不足などさまざまな原因があるとい う。年をとるのも一因だ。家庭用品メ-カ-の花王(東京)と青山大 が共同開発した「毛細血管網観察装置(キャピラリ-コ-プ)」=上 記写真で女性のほおを観察すると、高齢者ほど毛細血管の血流が 少ないことがわかる。「血行を良くする方法としてお勧めなのは、日 常生活の中でできる養生です」。研究会のメンバ-の一員の渡辺 賀子・麻布ミュ-ズクリニック院長(東京)はこう話す。例えば食事。 規則正しくバランス良くといった常識的なことに加え、「体の中心部 の体温は早朝に最低になるので、朝こそ暖かく消化のよいものを食 べ、体を温めてほしい」と進める。運動は週一回程度、ジムに通うよ りは、「階段を使ったり、駆け足をしたり、普段からまめに体を動かす こと」とアドバイスする。入浴や下半身冷やさない服装も有効だとい う。「冷やさなければいいと考えるのではなく、血の巡りを良くすること を心がけてほしい」と言う。渡辺院長によると、女性の半数近くが「冷 え」を自覚している。若い世代はむくみ、中高年はほてりや疲労感な どを伴っている。一方、男性も約一割は冷え性-という調査結果が ある。だが、症状が深刻になってからでないと受診しない傾向があり、 実態がよくつかみ切れていない。川嶋准教授は「男性も血行改善を 実施してほしい」と呼びかけている。同研究会はこれまで講演会や イベントを行い、血行を良くするためのエクササイズ、マッサ-ジなど を参加者と実践してきた。 問い合わせは同研究会事務局℡03・5610・1327へ。
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