山本周五郎
「さぶ」
江戸下町の経師屋、芳古堂に住みこむ同い年の職人、男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶ。
栄二は、ある日、得意先で金貨泥棒の濡れ衣を着せられ、ならず者の吹きだまりのような人足寄せ場に追いやられる。
我が身の不遇を嘆き、心を閉ざす栄二だったが・・・
どん底の生活の中で人との繋がりの大切さに気付き、徐々に大人として成長してゆく栄二の姿に感動です!
しかし、タイトルは「さぶ」・・・なぜ?
「さぶ」は”サブ”なのか?
その答えはラストで明らかになります。
流石は山本周五郎!!
「雨あがる」
安宿で妻と暮らす浪人の伊兵衛は、学問から武芸まで器用にこなす。
だが、優しすぎる性分ゆえ、仕官が決まりかけては立ち消えになる日々が続いていた。
ある日、喧嘩の仲裁で見せた刀の腕前が藩の老職の目に留まる・・・。
人は何のため、誰のために生きているのか・・・
優しくてどこか切ない物語
黒澤明監督が映画化された理由が判ります。
その他の短編
「いさましい話」・「おばな沢」・「おれの女房」・「菊屋敷」
どの物語もラストは胸がほっこりします。
いいな~! 山本周五郎!!