通称ゴーヨン、EF500mm F4L IS USM は、僕が持つ写真機材のなかで最も高額で、かつ最も愛着のあるレンズだった。
滋賀にいた頃は、毎年冬になると、湖北の白鳥とオオワシ、京都某所のカワセミの撮影で充実したひと時を与えてくれた。
しかし、福岡に来てからはぱったり出番がなくなってしまった。
福岡に来た当初、なんとかゴーヨンで撮影したいと、近くの那珂川をはじめ、ほかの川や池などカワセミがいそうなところをあちこち探し回った。
ところがカワセミはいても、京都某所のような、ゴーヨンを持ち出せる撮影環境のところは見つからなかった。
図体がでかいので、防湿庫には入れず、専用のハードケースに入れ、防湿剤と湿度計を入れて管理していた。
その状態で6年近く、宝の持ち腐れ、無用の長物化し、管理だけ続けてきた。
そんななか、クルマ、カメラ、ホーム・シアターに続く、欲しくなったオモチャが出てきたので、今回、思い切って売ることにした。
ゴーヨンは、レンズを買っただけでは撮影できない。
その大きさと重量を支える、がっしりした三脚が必要となる。
野鳥の動きに合わせてゴーヨンを自由自在に動かせる雲台が必要となり、その重さにもかかわらず、手を放しても、その時の状態をそのまま維持するものが望ましい。
そのため、三脚座のフット部分をアメリカRRS製の、アルカスイスタイプのものに交換した。
カメラにレンズを装着した状態のまま収納できる大型カメラリュックも必要となる。
さらには、迷彩レンズカバーや、ファインダーを覗かずカワセミを追尾するための照準器など。
ゴーヨンを売ってしまうと、ゴーヨン専用グッズが不要なものになってしまう。
でも、使う当てがなくってしまったものをずっと持っているより、欲しくなってしまったオモチャが買いたい。
ゴーヨンを売って、買ったものは・・・
それはドローン
年寄りの最後のオモチャ
航空法の規制をクリアして飛ばせる場所は限られる。
ここはなにもないので休日であってもほとんど人が来ない。
広々とした空間で自由にドローンを飛ばせる。
万一落下しても草地なので安心。
難点は、自宅から43km、車で下道を走って1時間半もかかること。
平日は郊外に向かって走るのにもかかわらず途中の渋滞必至で、2時間近くかかる。
ガソリン代往復1,400円。さらに高速を使えば片道1,970円。
時間とコストが問題だ。
燃費の悪いハイオク車であるのがつらい。
もっと近くで気楽に行けるところはないかと探して、やっと見つけたのがここ。
ここだと自宅から12km、車で約30分で行ける。
機体が水没すれば回収不可能となるのがコワイ。
ただ、陸地の幅が約6mあり、一辺5mの四角飛行、直系5mの円形飛行の練習はぎりぎり出来る。
この浜に出るには、ほとんど人が通らないようなこんな道を蜘蛛の巣に注意しながら歩く。
しかし、水があるところに必ず出没するのが釣り人。
岸沿いに歩いてくるのか、30m以内に釣り人が現れたりすると飛行を中止しなければいけないので注意が必要だ。
ここは砂地なので、ハンド・リリース、ハンド・キャッチで離着陸を行っている。
10時間の飛行実績を積めば国交省に飛行許可を申請することができるようになり、飛ばせる場所の幅が広がる。
美しい風景を空撮で早く撮ってみたい。
まずは幣の松原の夕日かなあ。
ここに午後に来たのは初めて。
午前では順光だったところが午後は逆光となっており、やっぱり午前に来るべきと痛感。
山の麓にある自然公園なので、開園時刻とか入場料とか関係なく、駐車場も無料なのがいい。