花乱の滝は、午前中に光芒が出る可能性があると思って、一度確認したいと思っていた。
今回、ようやく午前中に行く機会ができた。
予想通り、朝日を受けて光芒が出ていた。
しかし、これも予想通り、光芒は滝から離れたところだったので、滝とのコラボは撮れない位置だった。
せっかく来たので、一応来た証拠写真だけ撮って帰ろうと思った。
滝行に来た人のための小屋から、読経のような声がずっと聞こえていた。
写真を撮って撤収しようとしたその時、滝行の装束を着た年配男性がやってきて、「これから滝行をしますので」と言う。
三脚を片付けようとすると、
「いやいや、撮影中止とかということではなくて、滝の写真を撮っているんだったら、邪魔者が入りますよ、ということをお断りに来ました」
と言う。
最近、他人に対する気遣いに触れることは滅多にないので、わざわざ断りに来られたのが、かえってびっくりするほどだった。
撮った時にはわからなかったことだが、
一枚目の滝壺周辺にはどこも陰るところなく万遍なく光が当たっている。
ところが、そのわずか15分後にしかすぎない二枚目の写真になると、滝行をする人のところだけにスポットライトのように光が当たっている。
これは一体どういうことなのか。
不思議だ。
帰り、近くの坊主が滝に寄った。
こちらは、光芒は出ないだろうという地形の再確認だ。