福岡に来てまったく出番がなくなった500mm望遠レンズを売って、5月2日、ドローンを買った。
どの機種にするかは、6月20日から航空法が大幅に改正されるのを踏まえ、またコストパフォーマンスを考えて、DJI のMavic Air 2 Fly More コンボというのを買った。
ドローンの世界では、中国のメーカーである DJI という会社が圧倒的シェアを持っており、その商品の高性能ぶりは、「安かろう、悪かろう」の中国製品イメージを塗り替えている。
機種の名前は Mavic Air 2 。Fly More コンボはセットの名前で、予備プロペラ、予備バッテリー、NDフィルター、携行バッグなどがセットになっている。
Air 2Sという後継機が出ており、当然後継機は性能アップしているが、Air 2 でも十分高性能であり、旧機体ということで格安価格で入手できた。
カメラは 4K Ultra HD/60fps の高解像度の動画が撮影でき、本体と送信機間の最大伝送距離は6kmもある。
一年間の無償賠償保険(対人1億円、対物5千万円)が付いており、DJI Care Refresh という独自の機体保険もある。
今まで航空法の対象は重量200g以上の機体だったが、6月の改正で100g以上が対象となり、199gでどこでも飛ばせると大人気だった DJI のMavic Mini やMini2は航空法対象となった。
Air 2 は570gと大きいので、その分風にも強く、バッテリー1本の飛行時間もMini やMini2の18分に対して34分と長い。
また、航空法対象の機体には国土交通省に機体登録することが義務付けられ、登録すると機体番号が付与されるが、飛行中に機体番号を無線で発信するリモートIDを備えることも義務付けられた。
ただ、改正前に機体登録を行った場合はリモートIDが免除されるというので、事前登録をした。
YouTubeに登録方法の動画がいくつも出ていて、ほんとに便利な世の中になったもんだと思う。
手数料が一番安いマイナンバーカードを使うやり方で割合スムーズに登録できた。
機体番号を表示したシールを機体に貼り付けなければならないが、そのシールの作り方もYouTubeに紹介されていた。
コンビニのシール印刷を利用し、わずか200円でシールが作成できた。
法改正施行後、DJI の対応により、ファームウェアをアップデートし、国土交通省とデータ連携することにより、リモートID内蔵の機体となった。
中国企業ながらDJIのこの迅速な対応には感心した。
ドローンを飛ばすには、航空法等で、8項目の禁止空域、10項目の遵守すべき飛行方法が定められている(当然、全て暗記している)。
ちなみに、下記の地図で、禁止空域の「人口集中地区」は赤く塗られた部分で、福岡市はほぼ全域。
さらにそれを覆うような広い範囲の緑色の部分が「空港等の周辺空域」で、ドローンの飛行が禁止されている。
ドローンを飛ばすには、禁止空域でない場所で、ドローンを自由に飛ばせるだけの広い空間があり、かつ誰も来ないところを見つけなければいけない。
ドローンを買う前に見当をつけてた場所で初飛行をやったが、なにせ車で2時間近くかかり、遠すぎた。
ガソリン価格高騰の今、ガソリン代もばかにならない。ハイオクだし。
で、割合近くで飛ばせるところを探し、ついに発見した。
広い空間があって、誰も来ない場所は、そうあるものではない。
Googl地図のおかげだ。
ただ、この時期、30度を超える炎天下で1時間半も飛行練習するのは熱中症リスクもある。
風が強い日は飛ばせない。
カメラとレンズがあればすぐ撮影できる写真と違っていろいろな制約があるが、飛ばしている時は夢中になれる。
ドローンの飛行練習の帰り、中の島公園に寄ってみた。
平日にもかかわらず、子連れの人達が大勢来ていた。
世の中、夏休みだったんだ。
リタイアしてからは休みの感覚がなくなってくる。
ここは子供が水遊びできるよう、人工的に水深を浅くしており、子供には大人気の場所だ。
中の島公園のにぎやかさに引き換え、隣の日吉神社はひっぞりと人影もなかった。
季節外れの紫陽花がまだ咲いていた。
スマホで撮影。
4つの焦点距離を選べるようになったのがいい。
デジタル一眼レフ3台が防湿庫で眠っている。
野鳥撮影用の EOS 7D Mark II のバッテリー残量が自然放電で15%になっていた。
焦る。
流れる雲、流れる光
ハイパーラプスは雲の動きがある時が最も効果的で、それ以外は早回し動画みたいになってしまう。
ハイパーラプスで作成した8秒動画2本を、編集ソフトで40秒に伸ばしてみた。
雲の動きのある夕焼けをぜひ撮ってみたい。
わが映画コレクションでは黒澤明の映画が12本。
3年ぶりに一気に続けて鑑賞。
野良犬 1949年
バスのなかで拳銃をすられた刑事の話。
冷房もなく、真夏に汗が噴き出る暑苦しい当時の空気感がリアル。
物語の展開もさることながら、川上が現役選手で出場している野球シーン、東京の街並み、復員兵、闇市、盛り場など当時の雰囲気を生々しく蘇らせる。
羅生門 1950年
個々の俳優の演技が味わい深い。
殺された侍、その妻、妻を凌辱した盗賊の三人それぞれがまったく違う真実を述べるミステリー。
黒澤の名前を世界に知らしめた作品。
生きる 1952年
なんといっても志村喬の演技が素晴らしい。
煩わしいことは回避しリスクをとることもなく、何もしないことをモットーに凡庸に生きてきた市役所の課長が、胃癌で余命いくばくもないことを知る。
絶望的な気持ちになりながらも、「生きる」意義に覚醒していく主人公の姿を感動的に描く名作。
七人の侍 1954年
言わずとしれた黒澤の代表作。
ユル・ブリンナー主演「荒野の七人」にリメイクされた。
207分はさすがに長いと思うが、個々の人物描写は素晴らしく、飽きさせず見せる。
蜘蛛巣城 1957年
シェイクスピアの「マクベス」を戦国時代に置き換えた映画。
物の怪の予言に不審を覚える武将を、妻が執拗に憑かれたかのように予言の実現を迫り、悲劇の結末へと導いていく。
山田五十鈴の鬼気迫る演技が怖い。
当時、小学生だったので、ラストのたくさんの矢が飛んでくるシーンしか記憶になかった。
隠し砦の三悪人 1958年
黒澤定番出演の千秋実と藤原釜足の百姓コンビが「スターウォーズ」のC-3PO と R2-D2 の元ネタであることは有名。
男まさりの姫、上原美佐が凛として独特の雰囲気を醸し出す。
黒澤作品は、若きジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグに大きな影響を与えた。
悪い奴ほどよく眠る 1960年
父親を自殺に追い込んだ権力に対する復讐劇。
着々と悪い奴らを追い詰めていくが、ラストは一転虚しさを漂わせる。
用心棒 1961年
黒澤作品のなかでは、次の「椿三十郎」と並ぶ娯楽性の高い作品。
面白い映画を見た満足感を覚えながら映画館から帰路についた記憶がある。
マカロニウエスタンの先駆けとなったクリント・イーストウッド主演「荒野の用心棒」にリメイクされた。
椿三十郎 1962年
加山雄三、田中邦衛などの若侍の青臭さと三船敏郎の練達ぶりを対比させる演出が見事。
小林桂樹の役柄など黒澤にしてはけっこう笑えるシーンが多い。
天国と地獄 1963年
緊迫感を途切れさせず、ぐいぐいと引き付けられて目を離させない展開は、さすが。
黒澤映画の定番俳優総出演の趣き。
赤ひげ 1965年
ヒューマニズム溢れる名作。
加山雄三がなかなかいい。
二木てるみの演技が素晴らしい。
賄いのおばさん達のキャラがまたいい。
影武者 1980年
勝新太郎の降板のいざこざや製作費増大で話題となった。
フランシス・F・コッポラとジョージ・ルーカスが製作に参加。
1970年あたりから娯楽色が消え、芸術性への傾斜が強まって、独りよがりのつまらない映画になっていったと思うなか、これはまだなんとか許容範囲。
1060年代までが黒澤映画の黄金期だと思う。
安倍元総理の突然の逝去はショッキングな出来事だった。
各国の首脳はこぞって(あのプーチンでさえ)安倍元総理を讃える追悼の言葉を寄せ、国によっては国をあげて喪に服したり、半旗を掲げたりした。
そんななか、中国と韓国のネットでは祝福歓喜のコメントで満ち溢れ、山上容疑者を英雄視するコメントまであるという。
なんということだ。