ここのカキツバタは梅雨入り間もない頃に見頃となり、天気が悪いことが多い。
ところが、天気予報では日の出時刻は晴れの予報である。
カキツバタと朝焼けのコラボを撮る滅多にないチャンス!
平池のすぐ近くに5台ほどの駐車スペースがあり、去年は午前3時半に到着したにもかかわらず、既にいっぱいの状態だった。
今年はもっと早く行って、車のなかで仮眠をとることにした。
ついこの前、宝の持ち腐れとなっているポータブル赤道儀を使った星空撮影ができなかったので、ここで再チャレンジすることにした。
午前1時半、現地到着。
既に2台が駐車していた!!!
平池に行くと、星空撮影には邪魔になる月が煌々と輝いていたが、星はあった。
とりあえずポータブル赤道儀をセットする。
と、カメラをポータブル赤道儀に装着することができないことが分かり、ガックリ。
カメラに装着しているL型プレートを外す必要があり、外すための道具を忘れてきた。
仕方がないので、ポータブル赤道儀を使うことを諦め、普通に撮ることにした。
しかし、いくら月明かりがあるとはいえ、暗いなかでカキツバタにどうやってピントをあわせればいいのか。
星空撮影ではレンズの開放値の絞りで撮るのが原則となっている。
F4で星とカキツバタにピントが合うのか。
花火撮影で、無限大にしておいて花火の前景もそれなりに写っていたことを思い出し、無理かなあと思いながらとりあえず無限大で撮ってみる。
その時の絞りはF8ではあったが。
長時間露光の間、ペンライトを左右に動かしてカキツバタの群落を照らす。
で、撮ったのがこれ。
月明かりで星のコントラストが弱まっているせいか、現像ソフトDPPをいろいろいじっても星がくっきり出ない。
星がわかりづらいので、一部を拡大すると・・・
まー、とにかく、晴れているわけだから、夜明け前の空の輝きが楽しみではある。
車に戻り、車中で仮眠をとる。
この時点で駐車スペースは既に満杯。
何台か駐車できずに引き返していく。
手前の「ビラデスト今津」の駐車場に行くものと思われた。
日の出時刻は4時40分頃であり、4時過ぎに再び平池に行く。
すると、な、な、な、なんと、既に三脚がずらりと並んでいるではないか!!!
危うく三脚を立てる場所がなくなるところで、まだ空いているところにとりあえず三脚を立てる。
今までこんなに混んでいたことはないし、あとで撮る場所を変えたくても変えようがない。
デジタル一眼レフが売れて写真人口が増えたとはいえ、これはもう尋常ではない!
しかも、な、な、な、なんと、あれだけ星が出ていた空が、いつのまにか厚い雲に覆われているではないか!!!
空はまったく焼けないまま日の出時刻を過ぎ、曇った状態で少しずつ明るくなっていった。
やがてほんの短い間、空が赤みを帯びたが、すぐにもとの灰色の空に戻った。
朝焼けは逆光で撮ることになり、普通に撮ると前景が暗くなってしまうため、カメラのHDR機能を使って撮るようにしていたが、なかなかいい感じには撮れないため、ついにハーフNDフィルターを購入した。
今回はそのハーフNDフィルターの初使用も楽しみにしていたが、これも空振りに終わってしまった。
期待が大きかっただけに落胆も大きく、撮影意欲は甚だ減退したが、せっかく来たので、今まで撮ったのと同じような写真を撮って帰路についた。
それにしても、こんなにたくさんの人が午前4時台に来るなんて異常だ!!!
池の中に入るわけでもないのに、みんな長靴を履いて「われこそ本格派」という雰囲気だ。
去年から池周辺の一部が立入禁止となってロープが張られているが、「本格派」の人達の中には必ず平気でそれを無視する人が出てくる。
現に隣にいた人は、あとでそこに行くようなことを言っていた。
「本格派」だからいい写真を撮るために何をやってもいいと思っている人達がいるのは残念なことだ。
去年、他人への配慮を欠いた「本格派」に不愉快な思いをしたこともあり、もうここへ行くのはやめようかなあ。