十一月にひまわりが咲く、佐賀県みやき町にある山田ひまわり園に行った。
さすがに十一月も下旬になってしまうと、やっぱりというか、多くの花が萎れかけていた。
撮影意欲失速。
しかも、夕方に近かったので、到着して間もなく、太陽が対面の山の向こうに沈んで日陰になってしまった。
それでも次々に人がやってくる。
ぞろぞろと団体さんがやってきた。
みんながしゃべっているのは中国語。
こんな小規模のひまわり園まで中国人がやってくるのかと驚いた。
冒頭の一枚は、被写界深度合成。
手前の花にピントを合わせた写真と、奥の写真にピントを合わせた写真を合成し、手前から奥までピントが合った写真にしている。
このブログの写真の大きさではちょっとわからないかもしれない。
やり方はそれほど難しくない。
Ligtroom で合成する2枚を選び、「写真」→「他のツールで編集」→「Photoshpでレイヤーとして開く」をクリックする。
Photoshopが立ち上がるので、レイヤー2枚が対象になるよう、Ctrlキーでクリック。
「編集」→「レイヤーを自動整列」で出てくる画面で、「自動設定」になっていることを確認して「OK」をクリック。
この自動整列機能がすごい。
本来は三脚を使って構図を変えないまま手前の花にピントを合わせた写真と奥の花にピントを合わせた写真を撮るべきだが、手持ちで撮ると構図が多少ズレる。
その多少のズレをきちっと合わせてくれるのだ。
自動整列が終わったら、ズレた端っこをトリミングし、「編集」→「レイヤーを自動合成」で出てくる画面の「OK」をクリックすれば出来上がり。
「保存」でtif形式で保存されるので、Ligtroomで現像すれば最終完成。
確たる表現の意図もなく、例によって漫然と、あっちでパチリ、こっちでパチリと写真を撮っていく。
たまに、この場所を誰にも渡すものかとばかり、同じ場所でずっと写真を撮っている人がいる。
構図を変えて何枚も撮っているのか。露出を変えて何枚も撮っているのか。光の変化を待っているのか。
本人でないとわからない。
撮るたびにモニターでじっくり確認している。
ひょっとしたらその場所が空くのをじっと待っている人がいるかもしれない、なんて発想は微塵も無さそうだ。
「ちょっと一枚ぐらい撮っとくか」程度の僕は、しばらく待ってその人が動きそうにないと、諦めて次の場所へと移動する。
なんとなく、フィルム時代の、写真がマイナーな趣味の時代はよかったなーとつくづく思う。
福岡県との県境にある佐賀県基山町の大興善寺は、別名「ツツジ寺」と呼ばれるツツジの名所であるが、同時に紅葉の名所でもある。
紅葉の時期になると、ツツジの時と同様、毎日、ホームページに紅葉情報が写真と共に掲載される。
紅葉情報を見、天気予報を見て、出かける日を決めた。
到着して、紅葉の写真を撮っていると、隣で熱心にコンパクトデジカメで写真を撮っている人がいた。
なんと、この寺の住職だった。
ホームページの日々の写真とコメントは、住職自らの手によるものだった。
温厚そうで気さくな雰囲気の住職と話していると、この寺の紅葉を愛でる深い思いが伝わってくる。
今年は例年よりも紅葉の色づきが遅いそうで、まだ緑のままの紅葉も随所に見受けられたものの、見ごろを迎えた紅葉が朝日を浴びて美しく輝いていた。
福岡県内1位の紅葉人気スポット、雷山千如寺大悲王院の紅葉を見に行った。
平日だというのに、午前9時開場の30分前で既に門の前には行列ができていた。
紅葉のメインは、福岡県指定の天然記念物、石庭の中央にある樹齢400年の大カエデだ。
雷山千如寺大悲王院からさらに山を登ると、雷神社がある。
ここまでやってくる人は少ない。
境内には、樹齢400年、樹高17.5mの大きなカエデがある。
本来は、隣のイチョウの大木と黄葉の重なりが迫力だが、今年はイチョウがまだ黄色になりきれてなかった。
夏は姿を消していたカワウの大群が戻ってきた。
これだけの数のカワウが池の魚を毎日食べると、ミサゴのエサがなくなってしまいそうだ。
ミサゴがあまり来ないのもカワウのせいだと思ってしまう。
たまにミサゴがやってきても、魚影が見当たらないのか、上空を旋回してすぐにいなくなる。
ミサゴの写真を撮るために野多目池に通う僕からしてみれば、邪魔な存在だ。
カワウのお気に入りの場所は、上の写真の砂浜と下の写真の木の上だ。
この木の下に生えている木々は、カワウのフンで真っ白になり、枯れてしまいそうだ。
対岸の木々もカワウのフンで枯れかけている。
九州以南の日本に越冬にやってくる絶滅危惧種クロツラヘラサギは約300羽。
そのうち野多目池にやってくるクロツラヘラサギの観察記録。
11月2日 クロツラヘラサギ 10羽 ヘラサギ 1羽
11月4日 クロツラヘラサギ 4羽 ヘラサギ 0
最初、11月2日にいた10羽のクロツラヘラサギのうち4羽がまだ残っていた、と思っていたら、どうも違うようだ。
この日の4羽のうち、足にカラフルな足輪をしたものが1羽いた。
11月2日の10羽の写真をチェックしたところ、足輪を付けたクロツラヘラサギはいなかった。
つまり、2日の10羽は全員どこかに飛び去り、新たに4羽がやってきたに違いない。
つまり、野多目池はあくまで通過点で、すぐに次の目的地に飛び立っていく、ということのようだ。
手前の体の小さな4羽がクロツラヘラサギ
足輪を付けたクロツラヘラサギ
11月5日 クロツラヘラサギ 1羽 ヘラサギ 0
11月6日 クロツラヘラサギ 1羽 ヘラサギ 1羽
11月7日 クロツラヘラサギ 0 ヘラサギ 0
11月8日 クロツラヘラサギ 0 ヘラサギ 0
11月9日 クロツラヘラサギ 1羽 ヘラサギ 1羽
11月10日 クロツラヘラサギ 1羽 ヘラサギ 0
クロツラヘラサギももうそろそろおしまいかなと思っていたら
団体さんご到着!
11月12日 クロツラヘラサギ 14羽 ヘラサギ 2羽
今回も足輪をした鳥が1羽いた。しかも両足。下の写真の右から2番目。
11月13日 クロツラヘラサギ 1羽 ヘラサギ 0
毎日一万歩以上ウォーキングするのは今はほとんど那珂川コースだ。
というのも、涼しくなってきたのでカメラを持って出ることにしており、ほかのコースでは写真を撮るものがない。
とはいえ、那珂川コースで一番期待していたカワセミ撮影も、だんだん期待が萎んできている。
京都某所で撮っていたような、カワセミが魚を咥えて水上に飛び上がった瞬間を撮るどころでなく、せいぜいカワセミがいたことの証拠写真が撮れる程度。
撮影環境が京都某所とはあまりにも違いすぎて、だんだん撮影意欲がなくなってきた。
カワセミにはもうあまり期待しないで、ちょこちょこと写真を撮りながら、那珂川を歩く。
今年も野多目池にクロツラヘラサギがやってきた。
クロツラヘラサギは絶滅危惧種で、2015年時点で世界で3,200羽とされている。
朝鮮半島北西岸の離島や中国遼東半島の離島を繁殖地とし、冬は南下して越冬する。
越冬地は台湾、香港、ベトナム、日本など。
日本は九州以南で越冬し、約300羽が飛来する。
今回、野多目池にやってきたクロツラヘラサギは10羽で、ヘラサギが1羽加わっている。
渡りの途中の立ち寄りで、冬の間ずっといるわけではない。
クロツラヘラサギとヘラサギの違い
目の周囲と嘴の先端
真ん中がヘラサギで、両側がクロツラヘラサギ
遠目にはまだ綺麗だったが、近づくと萎れた花や花びらが散った後の残骸が目につく。
花をアップで撮ろうとすると、そういった余計なものが写りこんでしまう。
公園の人の話では、
「台風の影響で生育が悪く、茎も細くて、花が咲くか心配だった。咲き具合は例年より悪い。今年はコスモスの中にコキアを配置したが、早く茶色になってしまった。風で海の塩分が飛んできたせいかもしれない」
とのこと。
「ネモフィラの時にまた来てください」と言われて帰路についた。
上空をトンビが飛んでいた。