部屋の中をすっきりさせるため、不要なものは極力捨てようと整理している。
触っていると懐かしく、思い出深いが、フィルム一眼レフを捨てることに決めた。
もともとカメラは精密機器だった。
手動でフィルムを巻き上げ、ピント、絞り、シャッタースピード、ISOすべてをマニュアルであわせて撮っていた。
それが、ミノルタがオートフォーカスを発明して以降、みるみるうちにデジタル化が進んだ。
そして、技術革新によりフィルムからデジタルカメラへと移行していくと、カメラは今や精密機器から電子機器となった。
EOS 5はフィルムカメラの時代にデジタル化が進んだ暫定的な時代のカメラである。
視線入力というのがあって、ファインダーの中の複数の測距点のうちピントをあわせたい測距点を見つめると、そこにピントをあわせるという機能があった。
撮影者の視線を感知してそこにピントを合わせるという画期的な機能と思われたが、今のデジタルカメラには引き継がれていない。
デジタル化の過程で生まれた中途半端なフィルム一眼レフ、EOS 5とその対応レンズ、さらにその前の完全マニュアルカメラとレンズは今後使うことはまずないので処分することに決めた。
縦位置グリップを装着したEOS 5。
外見は、上部のダイヤルや背面など今のデジタル一眼レフとほぼ同じ。リモートスイッチもデジタルになっている。
標準ズームは28-105mm。望遠はタムロンの70-300mm。
なお、背面の小さな窓は、装填しているフィルムが何か分かるためのものであるが、当時はフジフィルムのベルビアというリバーサルフィルムを使っていた。
ベルビアは発色がよく緻密な描写をするフィルムであったが、ISOが50しかなく、三脚必須だった。
EOS 5は自分で買った初めてのカメラで、それまではずっと写真が趣味だった亡き父のお下がりを使っていた。
これはニコマートという完全マニュアルのニコンの一眼レフ。
フィルム巻き上げレバーがなつかしい。
このカメラの時代は、レンズは単焦点レンズで、装着しているのは55mm。望遠は200mm。
ニコマートのあと、ニコンFM2というカメラを長く使っていたが、これは今、息子のもとにある。
このブログに載せるため写真に撮ったりしていると、昔のことが蘇えってきて、処分するのが惜しくなってくるが、心を鬼にして捨てる。
この望遠レンス、NIKKOR-Q Auto 200mm F4について、どういうレンズなのか、なんとなくインターネットで調べてみると、なんと、「まさにこのレンズのためにニコンFを作ったといっても過言ではない」という記事があった。
ニコンF用として発売され、200mm望遠レンズとして初めて完全自動絞り機構を搭載した最初の本格的望遠レンズと書かれている。
ニコンFは、ニコンのフィルム一眼レフのフラッグシップ機である。
ちなみに、Autoとか完全自動絞りとかがどういう意味かというと、シャッターが切れる時だけ設定した絞りになり、ほかは開放の状態になっている、ということである。
もともと一眼レフが作られたのは、レンジファインダーカメラの弱点である望遠をカバーするためであり、このレンズの紹介記事の表題は「一眼レフの申し子」となっている。
そんな由緒あるレンズだったとは全然知らなかった。
・・・
いや、捨てる。