ばぶちの仕事しながら司法試験を突破し弁護士になりました

仕事をしながら司法試験に合格したばぶち(babuchi)の試験勉強記録+その後です。

スパムメール

2006年10月18日 00時31分11秒 | 憲法
スパムメールが大量に来るのは皆さんもご承知のことと思います。

さて、
このスパムメールの内容を公開するのに何か問題があるのか?
について考えて見ます。

まず、私人間の問題になりますが、憲法の人権規定は全法秩序の基本原則であるため、私法の一般条項の解釈適用を通じて間接適用すべきです。

スパムメールといえどもメールになりますので、公開することが不法行為にあたるかどうかを検討すべきです。

では、通信の秘密を侵害するか?

企業がこれをすれば、憲法違反にはなりませんが、電気通信事業法違反に当たる可能性があります。

もっともこれが正当行為と認められれば違法性が阻却される可能性もありますね。


次に相手方の承諾なしに公開するので、プライバシーの侵害に当たるか?

まず、メールの内容を公開されない権利を有するかですが、人格的生存に不可欠とはいえませんが、通常公開を欲しないとも考えられるので、できる限り保障すべきです。

しかし、不特定多数に対して送信しているので、プライバシー権は放棄されていって良いと思いますが、不特定多数かどうかは受信者が証明する必要があるといえます。

よって、不特定多数に対して送信していると立証可能であれば、プライバシー侵害にはなりません。


さらに、著作権侵害に当たらないか?

著作権についてはあまり詳しくないのですが、創造的内容であり、かつ独立性が認められる必要があると考えられますので、スパムメールの場合、これに該当しない場合が通常といえ、創造的内容であると認められる特段の事情がない限り、著作物とはいえない。


以上から、原則としてスパムメールの内容を公開することは不法行為に該当しないといえると思います。


しかし、スパムメールの送信者も同様に公開して良いか?は別問題です。

なぜなら、送信元は誰でも簡単に偽装できるからです。

まるで、Yah○○!から来たようにとか、S○○Yから来た様に偽装することは可能ですので、送信元を一緒に公開すると、その企業の社会的信用を低下させる可能性があるので、名誉毀損罪に該当する場合があると思います。