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プロジェクト 3 ハイライツ

 20年ほど前、米国のモトローラ社が超小型携帯電話機マイクロタックを発表した時、全社に衝撃が走った。小型化が得意だった日本でも、とても開発できない大きさだったのだ。すぐさま至急ハイライト3個以内の大きさの携帯電話機を開発しろと命令が下った。

 当時、男性の喫煙率は80%程度だっただろうか。タバコは生活の一部、朝、定期券は忘れてもタバコは持っていったし、会議室に、ノートは忘れても灰皿はもって行った。それに海外旅行のお土産はタバコと決まっていた。そういうわけでタバコの長さや重さ、箱の体積は体にしみこんでいた。

 こんなとき「ハイライト3個以内の大きさ」のキャッチを考え出したプロジェクト・マネージャは天才だと思う。大きさのイメージが瞬時にメンバー全員に伝わり、議論が噴出した。これが「敵は211ccの大きさだ、とりあえずの目標を260ccとする」と言ったら、部署へ戻って検討します、になっていたであろうことは疑いない。

 この頃、写真を撮るとき、大きさを示すのによくタバコを一緒に撮った。見た人は、ふーん、タバコの箱より小さいんだ、と頭ではなく、体で理解したものだ。

 今でも、タバコサイズという表現はよく使われている。胸ポケットに入るようにとか、持ち運びを意識した工業デザインとしてよく出来たサイズなのだろう。勿論黄金比になっている。

 「タバコサイズのGPSレーダー」「タバコサイズ・ビデオカメラ ポリスポリス100」などと言う怪しげな商品がインターネットにあふれている。「この盗聴器はタバコのパッケージにぴったり入ります」なんてのもあるが、この時勢、商品企画に間違いがあったとしか思えない。

 しかし、タバコを吸わない人に大きさが分かるのだろうか?タバコ・バッシングが進んだ今、インターネットでは寸法すら検索が難しくなっている。タバコを吸わない人が増えてきた現代、この記事の価値はここにある。タバコのパッケージの外形寸法はロングサイズで85mm x 55mm x 20mm。

また、10本入りのショートホープとショートピースのサイズ、外形寸法は小さめで72mm x 44mm x 17mm、重さは15グラムくらい。このパッケージは、ちょうどキャラメルの箱のようにスライドして開く。この外箱を円筒形として使って、直径を計るのにも使える。内径で約38mmになる。

 今はもうタバコは吸わないが、写真撮影用にタバコは買ってある。いつもはラップで包んで乾燥剤と一緒にタッパウエアに入っている。今後タバコサイズは死語になるのだろう。貴重な文化を残すためにも「タバコサイズ都昆布」とか「タバコサイズ・ぐみキャンディー」とか「タバコサイズ・カロリーメイト」とか商品化できないだろうか。望み薄ならカップヌードルを代わりに使って見ようかとも思っているのだが、、、、、


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