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口腔ケアと精神生活

 年末の大掃除をすると、一年前の大掃除以来行方不明になっていたものがぞろぞろと出てくる。一年間それが無くても過ごせたのだから不要なものとして捨ててしまえば良いのだが、それができない。相変わらず不要なものに囲まれた生活を続けることになる。

 今までいらないものは捨てろと散々言われてきたが、最近は本当にいる物とは一体何かと考える年齢になった。精神的に充実した生活をおくるのに最低限必要なものは一体なにだろう。

 仏教に「十八物」という言葉がある。僧侶が身につけて置くべき十八の大切な物を意味するのが「十八物」で、これ以外は持つことを禁止されている。「多くを求めてその善心を壊すること勿れ」ということで、要らないものを持つのは煩悩の元である。

 この僧侶が身に着けておくべき十八物とは楊枝、澡豆、三衣、水瓶、鉢、坐具、錫杖、香炉、漉水嚢、手巾、刀子、火燧、鑷子、縄床、経典、律の戒本、仏像、菩薩像である。

 ここで面白いのは十八物の一番最初に出てくるのが楊枝だと言うこと。口を清めることが信仰者の心得の第一条件であり、東洋で爪楊枝は宗教的意味が非常に大きい。

 このように現代でも爪楊枝を携行するのは精神生活者の心得なのだが、往々にして揶揄の的になる。やむ得ずサバイバルキットなのだと冗談めかして笑い話にせざる得ないのだが、まったく末世と言うしかない。



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