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志賀高原は春ところどころ冬

 5月の連休は志賀高原にスキーに出かけた。宿はジャイアントスキー場にとることが多い。もう30年も通っている。冒頭の写真の背景に見える、雪の残っている斜面がジャイアントスキー場。車が止まっているのは西舘スキー場からの連絡通路。

 ジャイアントスキー場は志賀高原の中でも標高の低いところにある。良い温泉があるので気に入っているのだ。それに標高が低いから志賀高原の他のスキー場にでかけたとしても必ず滑って帰ってこられる。昔は夕方リフトが止まるまで滑ったりしていたから、これは大きなメリットであった。まあ最近では猫に小判と言われればそのとおりである。

野生の猿 ここジャイアントスキー場は北斜面になっていて比較的遅くまで雪が残るのだが、さすがに5月の連休まで滑れることは少なかった。しかし、10年位前に人工降雪機を導入してからはほとんど5月でも滑ることができたのに、今年はまるで雪が無い。まさか地球温暖化の影響がここまで来たのか。もっとも野生の猿にとっては好都合らしく草の新芽を一心不乱に食べていた。


ジャイアンツスキー場 雪の無いスキー場ほど役に立たないものは無いと思うだろうがそうでもない。スキー場には砂利の夏道があることが多く、車で走り回ったりするのも面白い。スキー場を車で走ってわかることは思ったより傾斜がきついと言うこと。スキーではこんなだらだらの緩斜面なんか疲れるだけだと思うような斜面でも車ではスリル満点。スキーの十分の一くらい、いや百分の一くらいのスピードでのろのろ走るわけだ。


フキノトウ もちろんのろのろ走っている時フキノトウをみつけたらいただいてくる。あとでフキ味噌に変身する。もっとも食べるのであったら写真のように花が開いてしまってはいけない。つぼみのものを摘んでくること。


カタクリ 砂利道に車を止めて道路わきを探すと片栗の花が咲いていたりする。日陰に群生しているのでなかなか見ものだ。この写真はブナ平への通路で撮ったもの。



水芭蕉 水芭蕉もある。蓮池のリフト乗り場付近の湿原だ。今年は例年に無く沢山咲いていた。気候の影響か。

 一の瀬スキー場や熊の湯スキー場には雪があったので十分スキーも楽しんできた。冬と春を満喫できる5月の志賀高原、お勧めだ。

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運命の糸を紡ぐクロト

 東名高速道路の横浜町田インターチェンジでタンクローリー車が横転する事故があった。頻繁に事故の起こるところらしい。

 高速道路への入り口はだいたいカーブを描いているが、いわゆるクロソイド曲線であることが多い。このクロソイド曲線になっているカーブにさしかかるとハンドルを一定速度でまわしていけばよいので急に横に力が加わることは無い。

 もしクロソイド曲線を使わず、直線からいきなり円を描いているカーブがあったとする。運転者はそのカーブに入った瞬間、その円にあわせた角度にいきなりハンドルを切らなくてはいけなくなる。いわゆる急ハンドルだ。

 これを避けるために高速道路のカーブはだいたいクロソイド曲線を描いてゆっくりとカーブがはじまり、一定の半径の円になり、またクロソイド曲線を描きながら直線道路につながる。

 運転者の操作で言うとこうなる。直線からカーブにさしかかるとじわじわと一定速度でハンドルを回していき、一定の半径の円の部分ではハンドルをきったまま固定し、またじわじわと一定速度でハンドルを戻していくということになる。

 ところがこの横浜町田インターチェンジへ保土ヶ谷バイパスの横浜方面から入ると、一定の半径の円の部分の先が、さらにハンドルを切らなくてはいけないようなカーブになっている。これは驚くはずだし、車の挙動も不安定になる可能性がある。

横浜ICのカーブ

 このクロソイド曲線は他にもいろいろな場面で使われている。たとえばジェットコースターもそう。ループ形がはじめてアメリカに登場したとき、直線からいきなり円になっていてムチ打ち症患者が続出したらしい。現在ではクロソイド曲線を導入していて急激なショックが加わることを防いでいる。

 最近ジェットコースターにも事故が相次いだが、これはどうも設計の問題と言うよりも人災に近い。設計が高度になればなるほど限界の性能に近くなる。誤った操作をすれば事故がおきやすくなると言うことだ。


Ref:クロソイドはギリシャ神話の「運命の三女神」の一人、運命の糸を紡ぐクロトからきている。

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指名手配されたラスカル

:今日はシャロンさんのふたごの兄弟、ラスカルさんにおいでいただきました。連休中海外にいらしたとおききしましたが?


ラスカルおうおう、最初に台湾いってなぁ、ベトナムは最後んやんねん。


:はいはい、サイゴンにも行かれたということですね。でも現在はホーチミン市と呼ばれているはず、年のばれるギャグはどうかとおもいますが。


ラスカルようしゃべるおっさんやなあ。インタビュアはもっと簡潔にしゃべらんとあかん。本田美奈子のミスサイゴンみとらんのかいな、年は関係ないやろ。よかったでー、あれは。


:ところで一番印象に残ったのは何でしたか?


ラスカルそやなあ、台北のカラオケかなあ。かわいい姉ちゃんがいれかわりたちかわりきてな、一緒に歌ってくれるんや。そのあとなあ、、、、、


:えーと、ちょっと話題を変えまして、、、ほかになにか珍しい体験とかありましたか?


ラスカル故宮博物院へもいったで。世界の四大博物館のひとつや。北京でもみとるけど、台北のほうが百万倍もええなあ。名前のとおり息もできんぐらい感動したで。


:はぁ???、、、、故宮博物館なのに呼吸できないと言うわけですか。芸風を変えようと言う努力は認めますけれど、ちょっと寒いですね。


ラスカル駄洒落があかんと言われると喋ることないがな。あんまりきついこと言わんといてや。



:ところで連休中、志賀高原でラスカルさんの目撃情報があるのですけれど。




謝辞:本日のフォーマットはHollywood tailsを参考にさせていただきました。

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アルジャーノンに花束を

 米国のSF作家、ダニエル・キースの代表作に『アルジャーノンに花束を』がある。何度も映画化され、舞台にもなった名作である。

 主人公は知的障害のある三十台前半の青年チャーリー。知能遅れの教室で読み書きを習っているのだが、あるとき大学の教授から頭を良くする手術を受けてみたらどうかと言われる。

 すでにハツカネズミのアルジャーノンが実験に使われていて、すばらしい知能の向上が見られる。迷路実験では易々とチャーリーに勝つほどだ。

 チャーリーはこの手術を受け、IQが150を超える天才となる。もともと知能遅れの教室に通うというように向上心の強かったチャーリーは物理学、数学、言語など手当たり次第に知識を吸収していく。短期間に30もの言語に精通するほどの天才ぶりだ。

 しかし、理解力が進むにつれ、それまで彼の周囲にいた人たちの振る舞いの意味を知ることになる。沢山いたと思っていた仲間にだまされ、いじめられていたことを。

 その上、手術を勧めた教授よりも理解力が勝るようになり、学問上の衝突を起こしたりして彼の周囲から人々が去っていく。手術前には感じたことも無い孤独感にさいなまれる。

 そんな時アルジャノンに異変が起きる。知能の退行が見られるのだ。チャーリーはこの現象を調べ、急激に増大した知性は急激に減少することが避けられないことを見出す。いまや比類の無い知性を与えられたチャーリーに恐るべき宣告が下されたのだ。

 若い頃に読んだ時はこんな手術が可能であったら何が何でも受けるぞなどと妄想したものだ。そして現実に日々知能の退行におびえている最近、もういちど読み直したとき昔とは全く異なる読後感であった。色々な読み方のできるお勧めの本だ。

 文章はチャーリーの書いたレポートと言う形式をとっている。最初は読点の無い、ほとんどかなで書かれた文章だが、チャーリーの知能の向上に伴いだんだんと漢字が増え、正しい読点が打たれ、読みやすくなっていく。小尾芙佐の翻訳は見事だ。

 しかし翻訳も良いが名作と呼ばれるものは原文でも読んでおきたい。もちろんルビ訳で。これは英文に漢字でルビが振ってある本で、便利なものである。

 日本語でかなを主体とした表現は原文ではスペルの間違いで表現している。たとえば冒頭の一文。

けえかほおこく1 3がつ3日

 ストラウスはかせわぼくが考えたことや思いだしたことやこれからぼくのまわりでおこたことわぜんぶかいておきなさいといった。

かなの多い文章はなかなか読みにくいが、原文では

Progris riport 1 martch 3

Dr Strauss says I shoud rite down what I think and remembir and every thing that happins to me form now on.

となっていて、たとえばProgrisには正しいいスペルProgressとルビが振られている。これは読みやすい。実はルビが無くてもすらすら読める。間違ったスペルに全く違和感が無いのは自分で英文を書くとこんな文章になるからではないかと思う。残念ながらすでに私の知能は退行がはじまっているようだ、、、、、、、、



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