beatitude

好きなことだらけさ…

『SHAME-シェイム-』

2012年04月12日 | 映画 洋画

ニューヨークに暮らし、仕事もスマートでソツのない独身男ブランドン(マイケル・ファスベンダー)。
彼は、仕事以外のすべての時間をセックスに注ぎ込んでいた。中毒といっても過言ではない。
行きずりの女性やプロの女性との一夜限りの情事、
シャワールームやオフィスのトイレでのマスタベーション、ネットでのポルノ動画の収集……。
ありとあらゆる性欲を処理する行為によって日々をやり過ごしていた。
ところが、こうして確立されたシングルライフを過ごすブランドンのアパートに、
妹のシシー(キャリー・マリガン)が転がりこんでくる。
他者の愛を渇望し、激情の塊となって生きるシシー。
人との心の繋がりを一切求めず、感情を排して生きてきたブランドン。
激しく衝突する2人の想いはすれ違い、それぞれの孤独を更に深めてゆく。
そんなある日、ブランドンの元に衝撃的な連絡が届く……。
(goo映画より)

ヴェネチア国際映画祭男優賞受賞、ゴールデングローブ賞主演男優賞ノミネート他、
多くの映画賞に受賞・ノミネートされている本作。
 映画終盤に出てくる行為の最中の彼の表情は苦行にしか見えない…。
恋愛映画で見るおとぎ話のような満ち足りたベッド・インも
うすら寒いものを感じますが、これは苦しすぎる。
 
セックス依存症なる病気がどんなものなのかは、
この映画を観たかぎりでしか分かりませんが、
自分には理解不能かもしれない。
感情というものを持ち込まない生き方を
仕事と性処理のみで淡々とこなしているだけの生活を送る兄。
そこに突然、感情の塊のような妹が転がり込んできたため、
 均衡がくずれ、己の異常さが際立ち始めてしまう。

この兄妹の過去に何があったのか、それはやはり家庭環境のせいなのか。
元凶は過去にありそうなのに、そこんとこはなんの説明もないまま、堕ちていく兄。
リスト・カットを繰り返すことを止められない妹。
なぜの部分をもう少し見せてくれたら、“深遠なドラマ部分に共鳴”できたのかもしれない。