
1940年6月。ドイツ軍の爆撃にさらされたパリは無防備都市となり、
フランス中部の町ビュシーにパリからの避難民が到着した頃、独仏休戦協定が締結、
フランスはドイツの支配下に置かれた……。
結婚して3年、戦地に赴いた夫を待つ妻リュシル(ミシェル・ウィリアムズ)は、
厳格な義母(クリスティン・スコット・トーマス)と大きな屋敷で窮屈な生活を送っていた。
そんなある日、屋敷にドイツ軍中尉ブルーノ(マティアス・スーナールツ)がやって来る。
緊迫した占領下の日々の中、ピアノと音楽への愛を共有するリュシルとブルーノ。
やがて二人はいつしか互いの存在だけが心のよりどころとなっていく。
それは同時に、狭い世界に生きる従順な女性だったリュシルが、
より広い世界へと目を向ける転機にもなっていくのだった……。
(Movie Walkerより)
もう少しアウシュビッツとかナチとかの色が濃い映画かと思いきや、
なかなかのメロドラマでした。
人が敵味方になった時の普遍的な葛藤を描いているかと。
戦争さえなければ、出会うはずもなかった二人。
音楽とピアノがなければ、これ程接近せずに終わったであろう想い。
ドイツ占領下のフランスではどこでも行われていた
密告と生き延びるための女たちの行為。
それでもこの二人の間には通じ合うものがあったからこその悲劇。
戦争モチーフの恋愛映画でした。
ブルーノ役のマティアス・スーナールツってどれで観たんだっけ?と
ずーっと思いながら観てて、サイトググって『ヴェルサイユの宮廷庭師』か!!
あの時はロン毛だったよなぁ、ふふ~ん根は真面目な男が良く似合う。
原作はアウシュビッツで命を絶たれたユダヤ人の作家で、
自分自身も危ない中、書かれた作品であるという事。
残された娘2人は逃亡の間も母の形見のトランクを大切に保管したが、
そこに入っているノートを母の日記であると思い込み、
それが小説だと気付き出版されたのが作者の死後、60年以上がたっていたという事実の方が泣ける。
EDでは紙に小さな文字でびっしり書かれた生原稿だと思われる映像が流れます。
最後、お互いの想いを胸に秘め、リュシルが眼にいっぱい涙をためながら
進まなければならない道に戻るという感動シーンでしたが、
検問場所にバイクで駆けつけたブルーノが
隊を離れる時、何て言い訳して単独行動取ったのかが気になってしょうがなかったですw
原稿の発見も作者の没後60年も経ってからなんて、びっくり
映画も見てないのに、なんだか見た気分Iになってきました
1942年アウシュヴィッツで死去した原作者のイレーヌ・ネミロフスキー。
母の遺作を発表した長女のドニーズは2013年、映画の完成を待たずに亡くなったそうです。。。
貴ブログ記事、拝読いたしました。「なかなかのメロドラマ」、結構でした。昨年は戦後70年ということで、ことのほか戦争映画が多かったように思いますが、本作はいわゆる“ナチスもの”とはひと味違ったモチーフになっていました。「メロドラマ」とはいえ、こんな角度からも戦争の悲哀を感じさせる珠玉の一編でしたね。
おっしゃるとおり、ラストでブルーノがバイクで駆けつけるシーンの「言い訳」、気になりますね。緊迫した雰囲気の中で「ちょっと行ってくらぁ」でもないでしょうにね。
最後になりましたが、拙ブログにもトラックバックをお寄せ下さいまして、ありがとうございました。
"戦争の悲哀を感じさせる珠玉の一編"ホントそうですね。
切ない物語でした。