ビジネス文書検定 5*「ヶ月」 「か月」 「箇月」

2018-05-08 | ビジネス文書検定
 4月から学校や職場で新生活をスタートされた皆様、いかがお過ごしでしょうか?

新しい環境に馴染もうと頑張った1ヶ月が過ぎ、ゴールデンウィークを迎えたことで

ホッとひと息ついてエネルギーが充電できた方、逆に勢いが少ししぼんでしまった方、

先は長いのですから、心身の健康を第一に、一日一日を丁寧に積み重ねてくださいね。

そして、新人さんの指導を担当された皆様、大事なお役目お疲れさまでした

 
 さて、先ほど 「1ヶ月」 と書き、皆様も 「いっかげつ」 とお読みくださったでしょうが、

ビジネス文書検定を学ぶ中で、この 「いっかげつ」 の書き方が複数あることを知りました。


 【公用文】 「1箇月」

 【新 聞】 「1カ月」 (大きな 「カ」)

 【N H K】 「1か月」

他にも、小さな 「ヵ」 や 「ヶ」 と書かれた文も目にしますね。

では、どれが正しくて、どれが間違っているの

結論から申しますと、いずれも間違いではなく、どの書き方でも良いようです

ただし、前回の 「事・こと」 同様、ひとつの文の中では統一しましょう。

「1ヶ月から3箇月の間」 では、内容よりも字が気になってしまいます。

また、「駒ヶ岳」 や 「五箇山 (ごかやま)」 などの固有名詞は当然そのままに。

もちろん、「箇条書き」 や 「不具合の箇所」 などは漢字で表記します。


 ところで、「1ヶ月」 や 「駒ヶ岳」 の 「ヶ」 は、カタカナの 「ケ」 を小さく書いて、

「か」 または 「が」 と読むのだと思われるかも知れませんが、実はそうではありません。

「ヶ」 はカタカナの 「ケ」 ではなく、漢字の 「箇(カ)」 の略体 「个」、

または 「箇」 の 「たけかんむり」 のひとつが、符号的に用いられてきたものです。

 
  で変換される文字をそのまま使ってしまいがちですが、

ひらがなと漢字、そしてカタカナが混在する日本語ならではの、

少し複雑で面倒で、そして私などは大いに面白く感じる文字のエピソードです


     
     皇居・乾通りを散策した後、千鳥淵 から満開の桜を眺めました。

     

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ビジネス文書検定 4*「事」 と 「こと」

2018-04-08 | ビジネス文書検定
 私は文字を書くときや入力するとき、どちらにしようかと迷うことがあります。

たとえば 「事」 と 「こと」。

皆さまはどのように区別して書いていらっしゃいますか?

ビジネス文書検定の試験では、使い方の違いを述べる設問があります。

答えを申しますと、

「『』 は 具体的な事柄 を表すときに使い、

こと』 は 軽い意味 の語として表すときや、抽象的な内容 を表すときに使う」

例としては、

  : 「大変な事になった」 「事と次第による」 「心配事」

 こと : 「そんなことはない」 「私こと○○は」 「必ず出席すること」


 ところが実際には、漢字の 「事」 を用いるケースが多いようです。

その理由として考えられるのは、

 文字数の制限
    メッセージは何文字以内で入力という場合、1文字でも節約したいですよね。

 格式ある文章
    社外文書などで 「そのようなこと」 より 「そのような事」 とした方が、
    なんとなく格式が高く感じられるようです。

 読みやすさ
    ひらがなだけの文より、漢字が入る方が読みやすいものです。 


 「事」 は常用漢字ですので、いずれの場合に用いても誤りではありませんが、

読み手にとっては、同じ文の中では統一した方が分かりやすそうです。

  「聞いた事はあるが、見たことはない」

  「聞いた事はあるが、見た事はない」
  「聞いたことはあるが、見たことはない」


     
     秘書にゃんこ、大好きな を前に嬉しそうな こと


     
     同じお店で 「いちご3倍デー 」 とは、驚きの 出来事   


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ビジネス文書検定 3*印鑑・印章・印影

2018-04-03 | ビジネス文書検定
 桜舞う中、新年度がスタートしました。

初めて社会に出た方、久しぶりにお仕事に復帰された方、

新しい出会いに、ワクワクドキドキの日々をお過ごしのことでしょう。


 さて、いろいろな書類や提出物にハンコを押す機会が多いこの時期、

「持参するもの:印鑑」 と書かれている案内状や申込書を目にします。

でも、ご存知でしょうか?

実は、私たちが 「印鑑」 と呼んでいる品物は、正しくは 「印章(ハンコ)」 なのです。

ならば、「印鑑」 って何

はい、「印鑑」 とは、自治体などに予め登録しておく 「印章(ハンコ)」 の 「印影」 です。

たしかに、市役所などで 「印鑑登録」 をして 「印鑑証明」 を発行してもらうと、

その証明書に記載されているのは、「登録印の印影」 であり、

材質や大きさなど、印章(ハンコ) の形状を証明するものではありませんものね。


     
     こちらは秘書にゃんこ愛用の品
     (すみません 適当なハンコがなくて、こんなオモチャで

     右にある水色のキティちゃんは 「印章 (ハンコ)」 です。
     左側のキティちゃんのお顔は、押したときの 「印影」 ですが、
     登録は出来ませんので、「印鑑」 ではありません。

 
 とはいえ、ハンコ = 印鑑 という認識が一般的ですよね。

某自治体の HP 「印鑑登録の手続き」 を見てみますと、「必要なもの」 という欄に、

「登録する印鑑」 と書かれていて、これでは登録する前に、既に 「印鑑」 です

また、これは私の印象ですが、

そう、「印章」 は言葉で聞くと 「印象」 を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?

「当日は いんしょう を忘れずに・・・」 と聞いて勘違いすると大変です。

また、ネットの時代ならではと申しますか、「印章(ハンコ)」 のお店を検索するとき、

「○○市 印章」 より、「○○市 印鑑」 の方が、数多くのお店にヒットしそうです。

逆にお店の側からしても、「印鑑」 と標榜した方が、集客を見込めるかも知れません。

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 「ビジネス文書検定」 では、普段 何気なく聞き流してしまいそうなことに触れながら、

社会人として知っておくと便利な知識を学びますので、お付き合いいただければ幸いです。


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ビジネス文書検定 2*丁寧な文字

2018-03-22 | ビジネス文書検定
 「ビジネス文書検定」 には、3級から1級まであります。

もちろん求められるレベルは異なりますが、いずれの級にも共通していて、

なおかつ各級の 「審査基準」 の最初に記載されているのが、

「文字を、丁寧に、正しく、読みやすく、整えて書くことができる」

公私共にタイピングすることが、ペンで書くより多くの時間を費やす昨今、

真っ白な解答用紙を制限時間内に書き埋める作業はなかなかハードでした

何しろ下書きをしたり、全体を書き直したりする時間など全く無いのですから。

そんな状況でも丁寧さを心掛けるには、日頃から 「書く」 ことに慣れている必要があります。


 さて、「ビジネス文書検定」 を受験する予定がない方にとっても、

文字を丁寧に正しく読みやすく整えて書くことは、やはり必要であると思います。

職場では電話などの伝言メモや引き継ぎノートを書く機会も多いでしょうし、

会議中や接客中の上司に、急用を知らせるメモを渡すことがあるかも知れません。

急いでいる時こそ、読みやすい文字、そして分かりやすい文で相手に伝えたいものです。


 私は 「お箸の持ち方」 について講義を行なう際、

「上に来るお箸は鉛筆のように持ちましょう」 と言うのですが、

その 「鉛筆」 の持ち方がおかしいために、本題の 「お箸」 に進まないことも

よく見かけるのは、 親指が人差し指よりも上に出ているケース

鉛筆が正しく持てないと正しい文字が書けない・・・とは申しませんし、

爪を長く伸ばした指では、本来の持ち方が難しいのかも知れませんが、

お箸や鉛筆を持つという所作ひとつにも、その方の品性が感じられるものです。

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 「秘書検定」 のカテゴリーは、受験をお考えの方々がご覧くださっていますが、

「ビジネス文書検定」 では、皆様に気楽にお読みいただければと願っております。


     
     羽田空港で (こちらの撮影コーナーは既に終了しています)


     
     空港では、お土産用のお菓子の他に、その場でいただける甘味もあります


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ビジネス文書検定 1*はじめに

2018-03-17 | ビジネス文書検定
 何かと気忙しい年度の変わり目をお過ごしのことと思います。

4月から新しい環境で生活をスタートされる方もいらっしゃるでしょうし、

職場に新人さんを迎えるため、準備を整えている方もおいででしょう。


 新年度といえば、特に新人さんは提出する書類が多いものです。

昔に比べて手書きの書類が減ったとはいえ、自分の文字や文章を披露したり、

見慣れぬ文字で書かれた提出書類を目にする機会が多いこの時期。

表情や身だしなみ、言葉遣いや態度が、初対面の相手に与える 「第一印象」 なら、

その人の書く文字や文章は、「お箸の使い方」 と同様 「第二印象」 と私は考えます。


 私が取得した 「ビジネス文書検定」 は、「秘書検定」 の姉妹検定で、

ビジネス文書の一定の型や特有の言い回しを会得し、使いこなすことにより、

社会人としての 「たしなみ」 を身につけることを目的としています。

「稟議」 や 「議事録」 などの社内文書、「回答」 や 「催促」 などの社外文書、

そして社長交代における 「新旧社長の挨拶文」 のような格式ある社交文書(縦書き)を、
罫線の無い白紙の解答用紙に、ひたすら鉛筆を走らせて書き綴る試験です

「いまどき手書きで作成する企業なんて・・・」 という声が聞こえてきそうですが、

容易に、そしてスピーディーに入力・変換できる時代だからこそ、あまり考えずに、

最初に変換された漢字を使ってしまい、誤字に気づかないなんてこともあるのでは?


 【1級の問題】 (ビジネス文書検定 HP より)

 問題:各文のカタカナを漢字で書きなさい。(解答は下に↓)

  カンシンを買う  カンシンを抱く  いたくカンシンする  カンシンに堪えない

私など、日頃いかにスマホ頼みだったかと思い知らされました


 ビジネス文書を学んで初めて知った事や、改めて考えた事などをお伝えして参りますので、

どうぞよろしくお付き合いくださいませ


 【問題の解答】

歓心を買う  関心を抱く  いたく感心する  寒心に堪えない



     おかげさまで秘書にゃんこは元気です

     
     下鴨茶寮(銀座 東急プラザ)

     
     『料亭の贅沢椀と出汁巻きセット』


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