日々の暮らし*『街とその不確かな壁』『失礼な一言』

2023-07-17 | 本が好き
 梅雨が明けていないとは思えないほどの猛暑の日々、いかがおすごしでしょうか

玄関を出ただけで大汗をかきますが、自称「活字中毒」ゆえ、せっせと図書館に通っています

少し前に借りた本はこちら。


『街とその不確かな壁』(著者:村上 春樹)

図書館に予約したところ、既に数十人待ち。

出遅れたと思ったのも束の間、私の後ろには更に100人近い予約の列。

早く読んで返さなくてはと思う間もなく、700ページ近い長編を3日ほどで読み終えてしまい、

その後しばらくは、久しぶりに春樹ワールドの余韻に浸りました。


お次はこちら。


『失礼な一言』(著者:石原 壮一郎)

「失礼なことをされた経験がない」という方も、「他人に失礼なことをしたことがない」という方も皆無でしょう。

私は専門学校で「ビジネスマナー」や「敬語」、「言葉遣い」や「文章表現」を教えているためか、

粗探しをするまでもなく、他人の言動は感度良好なアンテナで受信するという、ほとんど職業病のような状態です。

でも、敬語ポリス、マナーポリスになってしまうと自分自身が窮屈なので、そこは「お互い様」とスルー。
(特に印象に残った出来事は、ネタとして授業で使いますが)


 著者の説くマナーが押しつけがましくなく、ご自分を「反面教師にしてください」と失敗談を披露するなど、

楽しい文に引き込まれるうちに、我が身を振り返りながら読み進められました。


一例を。

 昔は目上の方に年賀状を出すのが礼儀だったが、今はそのために住所を尋ねることの方が失礼。

 年賀状の印刷ソフトに相手の氏名を誤字で登録したことに気づかないまま、毎年送り続ける失礼。

 「敬語なんてどうでもいい。大切なのは話の中身だ」と言う人は、往々にして中身もたいしたことない。

 メールの誤字に無頓着な人は「え、そんなことぐらいで?」と言うが、「そんなこと」すらできない注意力のなさ。

 被害者の落ち度を責めることで、落ち度のない自分は安全だという仮説を信じたい「公正世界仮説」。


 face book のタイムラインにたまたま流れてきて手に取った新刊でしたが、読み応えのある一冊でした。

他人のマナーにいちいち目くじらを立てない寛容さと、自分の失礼を許してもらえることへの感謝の心を持ち、

しかし「ここ一番」というときには、相手の失礼な言動に対して、毅然とした態度で自分や大切な人を守る。

心地よい人間関係を築くために活用してこそ、マナーや敬語の真価が発揮できるのでしょう。


お読みくださいまして、ありがとうございます。
『街とその不確かな壁』をお読みになる前に
『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』
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コメント (2)