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過去最大級?「ベテルギウス」に超新星爆発の可能性

2010年01月15日 | 宇宙
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 スーパーノバ
 「超新星(suparnova)」というのは新星(nova)に由来するもので、新星とは、夜空に明るい星が突如輝き出し、まるで星が新しく生まれたように見えたのでこう呼ぶ。新星の原因にはいくつかある。

 1885年、アンドロメダ銀河中に、本来の新星よりはるかに明るく輝く星が現われ、それまで知られていた新星とは異なった明るいものが存在する事がわかった。これを「超新星」と呼び、supernova の語が生まれた。この超新星は「SN 1885」と名付けられている。「SN」は「超新星」を意味する "supernova" の略である。

 「超新星」の原因はなんだろうか?「超新星」は星がその終末を迎えるときの大爆発の輝きを意味する。現在まで、肉眼で見えた超新星は8つしかない。

 超新星の歴史 
 1572年11月11日にティコ・ブラーエは、カシオペア座に現れた超新星(SN 1572)を発見した。これをティコの超新星と呼ぶ。その時、この超新星は、金星よりも明るく輝いていた。この超新星爆発は、我々の銀河系内で起こり、最大光度は-4等級であった。その後1574年3月に、この星の輝きは、肉眼では見えなくなった。

 1604年10月17日、ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーは、へびつかい座に現れた銀河系内の超新星(SN 1604)を見つけた。ケプラーが、この超新星を詳しく研究したので、ケプラーの超新星と呼ぶ。

 この超新星は、18か月にわたって肉眼で見ることができ、絶頂期には、みかけの等級が−2.5等で、夜空で他のどの恒星より、また金星を除く他のすべての惑星より明るかった。意外なことに、2010年現在、我々の銀河系内で観測された最後の超新星である。

 ニュートリノ天文学
 1987年には、大マゼラン雲内で超新星(SN 1987A)が発見された。地球からは16.4万光年離れているため、実際に超新星爆発が起こったのは16万年前のことである。

 超新星の明るさは5月にピークを迎え、視等級にして最大3等級となったあと、数ヵ月かけて徐々に減光した。肉眼で観測された超新星としてはSN 1604(ケプラーの超新星)以来であり、現代の天文学者にとっては初めて超新星を間近に観察する機会となった。

 このときの超新星爆発で発生したニュートリノは、日本のカミオカンデで観測され、ニュートリノ天文学の記念すべき第一歩となった。

 宇宙から飛来するニュートリノの観測例としては太陽ニュートリノの観測が1960年代から行われていたが、ニュートリノの飛来した方向、時刻、エネルギー分布が詳細に分析されたのはこの観測が初めてであり、ニュートリノ天文学を大きく飛躍させた。この成果によって東京大学名誉教授の小柴昌俊が2002年にノーベル物理学賞を受賞している。

 9番目の超新星
 何かと話題の多い超新星だが、現在まで肉眼で見えた超新星は8つしかない。今回9つ目の、しかもこれまでで最大級の超新星爆発が観測できるかもしれない。その明るさは-12等級、ほぼ満月と同じ明るさで昼間でも観察できるという。

 しかも、地球に比較的に近いので、爆発時に発生するガンマ線のため、地球のオゾン層に影響が出るかもしれない。偶然地球方向を向いて爆発した場合には、オゾン層が吹き飛ぶ可能性もあり、惑星および生命体への影響ははかりしれない。

 9番目の超新星、その正体は何だろう?

 その正体は、オリオン座の1等星「ベテルギウス」。現在、超新星爆発へ向かうと見られる兆候が観測されている。

 米航空宇宙局(NASA)が6日に公開した画像には、星の表面の盛り上がりとみられる二つの大きな白い模様が写っていた。この15年で大きさが15%減ったという報告もあり、専門家は「爆発は数万年後かもしれないが、明日でもおかしくない」と話す。もし爆発すれば、満月ほどの明るさになり、昼でも見えるようになる。

 でこぼこの赤色超巨星
 冬の大三角の一つでもあるベテルギウスは、赤色超巨星と呼ばれる巨大な星。直径は太陽の1千倍で、太陽系にあるとしたら、地球や火星はおろか木星までが覆われる大きさだ。重いため一生は短く、まだ数百万歳(太陽は46億歳)だが、すでに寿命に近い。最後は超新星爆発を起こし、ブラックホールなどになるとされる。

 地球からの距離は約600光年。地球からベテルギウスを見ると、東京から大阪に置いてあるソフトボールくらいの大きさにしか見えず、これまでは大きな望遠鏡でも点程度にしか見えなかった。だが近年は、複数の望遠鏡を組み合わせて解像度を上げることにより、その表面や周囲のガスの流れまで撮影できるようになった。

 昨年、米欧の研究者がほぼ同時に3本の論文を発表し、ベテルギウスが大量のガスを放出していることや大きさの急減が示された。ガスの放出によって星の表面が梅干しのようにでこぼこに膨らんでいるらしい。

 ただ、その後の別の観測では、大きさの変化はあまりないという報告も出ているという。3本の論文のうちの1本の著者で、独マックスプランク電波天文学研究所の大仲圭一研究員は「爆発がいつかは分からないが、死の直前を見ているのは間違いない。今まで想像するしかなかった星表面の様子も、実際に見て確かめられるようになってきた」と話す。(asahicom 2010年1月10日)

参考HP Wikipedia「超新星」「新星」

超新星1987Aに挑む―壮烈な星の最期をさぐる (ブルーバックス)
野本 陽代
講談社

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岩波講座物理の世界 元素はいかにつくられたか――超新星爆発と宇宙の化学進化

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