シーラカンス
シーラカンスは古生代デボン紀(4億1600万年前から約3億6700万年前)に出現して広く世界の水域に栄えたが、約6500万年前(中生代白亜紀末)の絶滅イベント(K-T境界)を境にほとんど全ての種が絶滅した。
長らくシーラカンス目は全て絶滅したものと考えられていたが、南アフリカにて1938年、現生種の存在が確認され、学会および世界を騒然とさせた。その後、1997年にはインドネシアでラティメリア・メナドエンシス (Latimeria menadoensis) の現生が確認されている。
シーラカンスはその他に、胸びれに骨がある変わった特徴がある。この胸びれは肉鰭と呼ばれ、魚類が進化して陸上に上陸するため、足になる前のものだとされる。肉鰭は魚類が両生類に、進化した証拠だと考えられている。
それでは陸上に初めて両生類が出現したのはいつごろだろうか?
デボン紀末期に両生類出現?
エルギネルペトン(Elginerpeton)はデボン紀末期のフラスニアン期(3億7700万年前)の地層に生息していた動物。スコットランドのエルギンという町の近くの化石産地から発見された。学名は「エルギンの這うもの」の意。
もともとは肉鰭綱の一種として分類されていたが、1990年代はじめの Per Ahlberg による再調査によって原始的な四肢動物であることが示された。エルギネルペトンは、近縁のオブルチェヴィクティスとともに、化石で知られる四肢動物としてはもっとも古いものである。
ティクターリク(Tiktaalik)はデボン紀後期(約3億7500万年前)に生息した絶滅肉鰭類である。四肢動物と多くの共通点を持つ。2004年にカナダのヌナブト準州エルズミーア島で保存状態のよい化石が3体発見された。
3億8000万年前のパンデリクティスのような魚類と3億6500万年前のアカントステガやイクチオステガのような四肢動物の間を結ぶミッシングリンクであるといわれる。おそらく浅い水域で生息し、短時間ならば陸上に逃れることもできる魚食動物だったのだろう。(出典:Wikipedia)
最古の四足動物?
ところが今回、エルギネルペトンやティクターリクよりも古い時代に、すでに4足歩行する動物が見つかった。場所はポーランドの3億9500万年前の地層から、4足歩行と見られる足跡の化石が見つかった。
過去に見つかっている4足動物の化石より1800万年さかのぼり、最古の痕跡とみられる。脊椎(せきつい)動物が水中から陸へ進出した時期が書き変わる可能性もある。同国とスウェーデンの研究チームが7日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
今回の化石は、ポーランド南東部の山地に露出している地層から多数見つかった。時代の目安となる微化石や地質などから、約3億9500万年前のもので、海の浅瀬(潮間帯)だったとみられる。足跡はサイズや特徴も様々で、連続した足跡は四本足で左右に体をくねらせて、はうように歩いたとみられる配置とわかった。
四足動物は肉質のひれをもつ魚類が進化したとみられている。デボン紀(約4億1千万~3億6千万年前)に生息した4足動物が、水から陸に最初に上がったと考えられており、これまでに確認された最古の化石とされているのはスコットランドの3億7700万年前の地層からだった。
研究グループは潮間帯への進出が上陸につながったとの仮説もたてている。
国立科学博物館の真鍋真研究主幹は「今回の発見でこの地層の時代に4足動物がすでに多様化していた可能性が高いと推測できる。ただ、4足動物の最初の上陸がこの発見場所で起こったとは言い切れない。さらに古い地層や、すでに見つかっている他の足跡化石を精査する必要がある」と話している。(asahi.com 2010年1月7日)
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