時代は様々ですが、印象的な人達を大雑把に知ることができました。夢枕獏さんの選んだ奇想家は獏さんの書籍関連のものが多い、時間を作って読んでみたいと思ったけれど。参考書のように広く浅く、面白かった。
見逃したという前に知らなかったが、NHKで放送したという「知るを楽しむ、この人この世界、夢枕獏の奇想家列伝」を本で読んだ。
放送後にテキストを活字にしたもので、簡単な案内書・入門書だった。
ただ残念なことに画像がない分文字で知ることになるが、少し添えられている写真が参考にはなる。
先に読んだ「弘法大師空海と出会う」の時にネットで空海歩きをしたのでこの本も見つけていた。幸いすぐに図書館で借りられた。
奇想家で思い浮かぶ人物は多いがここでは獏さんの好奇心が向かった人々や、その足跡を辿ってみた人が集められている。
☆第1章 玄奘三蔵 ―― 知に駆り立てられて
いつだったか俳優が訪ねて、砂漠や山を越えていたのを過酷だなと思いながらTVで見たことがある。玄奘三蔵はウイグル自治区からインドへ、山を越え砂漠を歩く旅の末に経典を持ち帰った。もちろん猿も豚もかっぱもつれないで。その後20年かけてそれを翻訳した傑物、こうして知ればやはり奇想家だった。
私はいつかウイグル自治区という所に行ってブドウを食べたいとちっぽけな望みを持っていたが、計画倒れになった。経典とブドウ、比べるまでもなく小さ過ぎた(/ω\)。
☆第2章 空海 ―― 日本が生んだ最初の世界人
三筆の一人立花逸勢に頼まれ帰国嘆願書を書いた。字がうまいだけでは用をなさない、空海の多才に驚く。
最澄と並んで語られるが、情の最澄知の空海という書き方で、友達になりたいのは空海だろうというのも面白い。なんでも一人でできる空海の開いた高野山はいったん寂れ、やり残したことが多い比叡山の天台宗は優れた弟子が継いだ。まさに最澄は傑物が補佐した三国志の劉備玄徳タイプだったのかな。
☆第3章 安倍晴明その一 ―「呪」の力
文字の多い岡野さんの漫画を読んで面白かった(これで小学館漫画賞を受賞されたかと)その後清明というとアンテナが動く。この原作者で夢枕獏さんを覚えたのだが、その後映画にもなり、親しみが増した。
☆第4章 安倍晴明その二―五芒星の道
五芒星の歴史が面白い。陰陽道が古代人の生活に深く結びついていたことがわかる。
☆第5章 阿倍仲麻呂―文明の絶頂を見た人
この人はきっと楊貴妃に会ったのだろう、李白も王維もいた時代に楊貴妃の華の時代と悲劇を見たに違いない。安禄山の変で衰えた唐の時代から次に興った新しい皇帝の時代に仕え、日本に帰ろうとして帰れずベトナムに流れ着いた。墓のありかもわからないがそれはそれで悪くない生涯だったように思う。
☆第6章 河口慧海―カタブツだからできたこと
そのころ誰も行ったことがない「チベット」に初めて行って経典を持ち帰った。明治時代の人と知ってびっくり。この人を通してチベットは親しい国になった。
☆第7章 シナン―神が見える家
「シナン」知らなかった。カッパドギア地方で生まれたキリスト信者。
オスマン帝国の拡大とともに従軍し各地で建築を見てくる。四角い建物の上に丸いドームを作る技術で多くのモスクを作る。丸天井を石で作るのは難しそうで素晴らしい。
☆第8章 平賀源内―才能がもたらした悲劇
エレキテルというのは電気のことだと思っていたのだが、摩擦で電気を発生させる機械のことだった。恥
いろいろ好奇心旺盛だった出した人だが、エレキテルの利用は思いつかなかったそうで、コイルを巻いて磁石を作ったことぐらいしか知らない私はこのところはよくわからなかった。
長崎留学で進んだ文化を見たということが平賀源内の生涯の方向を決めたようでだ。
日本から出発した奇想家がほとんどですが、世界に目を向けると、私の乏しい知識の断片だけでもめまいがするほどで、これが作家、冒険家、歴史家 思想家などなど奇想の上に奇行までつければ一生読むのに困らない奇書が聳え立つのではないかと想像してしまった。
見逃したという前に知らなかったが、NHKで放送したという「知るを楽しむ、この人この世界、夢枕獏の奇想家列伝」を本で読んだ。
放送後にテキストを活字にしたもので、簡単な案内書・入門書だった。
ただ残念なことに画像がない分文字で知ることになるが、少し添えられている写真が参考にはなる。
先に読んだ「弘法大師空海と出会う」の時にネットで空海歩きをしたのでこの本も見つけていた。幸いすぐに図書館で借りられた。
奇想家で思い浮かぶ人物は多いがここでは獏さんの好奇心が向かった人々や、その足跡を辿ってみた人が集められている。
☆第1章 玄奘三蔵 ―― 知に駆り立てられて
いつだったか俳優が訪ねて、砂漠や山を越えていたのを過酷だなと思いながらTVで見たことがある。玄奘三蔵はウイグル自治区からインドへ、山を越え砂漠を歩く旅の末に経典を持ち帰った。もちろん猿も豚もかっぱもつれないで。その後20年かけてそれを翻訳した傑物、こうして知ればやはり奇想家だった。
私はいつかウイグル自治区という所に行ってブドウを食べたいとちっぽけな望みを持っていたが、計画倒れになった。経典とブドウ、比べるまでもなく小さ過ぎた(/ω\)。
☆第2章 空海 ―― 日本が生んだ最初の世界人
三筆の一人立花逸勢に頼まれ帰国嘆願書を書いた。字がうまいだけでは用をなさない、空海の多才に驚く。
最澄と並んで語られるが、情の最澄知の空海という書き方で、友達になりたいのは空海だろうというのも面白い。なんでも一人でできる空海の開いた高野山はいったん寂れ、やり残したことが多い比叡山の天台宗は優れた弟子が継いだ。まさに最澄は傑物が補佐した三国志の劉備玄徳タイプだったのかな。
☆第3章 安倍晴明その一 ―「呪」の力
文字の多い岡野さんの漫画を読んで面白かった(これで小学館漫画賞を受賞されたかと)その後清明というとアンテナが動く。この原作者で夢枕獏さんを覚えたのだが、その後映画にもなり、親しみが増した。
☆第4章 安倍晴明その二―五芒星の道
五芒星の歴史が面白い。陰陽道が古代人の生活に深く結びついていたことがわかる。
☆第5章 阿倍仲麻呂―文明の絶頂を見た人
この人はきっと楊貴妃に会ったのだろう、李白も王維もいた時代に楊貴妃の華の時代と悲劇を見たに違いない。安禄山の変で衰えた唐の時代から次に興った新しい皇帝の時代に仕え、日本に帰ろうとして帰れずベトナムに流れ着いた。墓のありかもわからないがそれはそれで悪くない生涯だったように思う。
☆第6章 河口慧海―カタブツだからできたこと
そのころ誰も行ったことがない「チベット」に初めて行って経典を持ち帰った。明治時代の人と知ってびっくり。この人を通してチベットは親しい国になった。
☆第7章 シナン―神が見える家
「シナン」知らなかった。カッパドギア地方で生まれたキリスト信者。
オスマン帝国の拡大とともに従軍し各地で建築を見てくる。四角い建物の上に丸いドームを作る技術で多くのモスクを作る。丸天井を石で作るのは難しそうで素晴らしい。
☆第8章 平賀源内―才能がもたらした悲劇
エレキテルというのは電気のことだと思っていたのだが、摩擦で電気を発生させる機械のことだった。恥
いろいろ好奇心旺盛だった出した人だが、エレキテルの利用は思いつかなかったそうで、コイルを巻いて磁石を作ったことぐらいしか知らない私はこのところはよくわからなかった。
長崎留学で進んだ文化を見たということが平賀源内の生涯の方向を決めたようでだ。
日本から出発した奇想家がほとんどですが、世界に目を向けると、私の乏しい知識の断片だけでもめまいがするほどで、これが作家、冒険家、歴史家 思想家などなど奇想の上に奇行までつければ一生読むのに困らない奇書が聳え立つのではないかと想像してしまった。