Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

苦痛を愛せ

2012-12-05 00:15:00 | コラム
「Hurt、Agony、Pain…Love、It.」

つまり痛み、苦悩、苦痛…それらを愛せよ、、、と。

これは名作『羊たちの沈黙』(91)の冒頭、主人公クラリスが森のなか(訓練コース)をジョギングするシーンで、木に「それとなく」掲げられたことばである。

FBI捜査官になるためには、それが必要なのだ―というような意味だろう。

忘年会の出し物で「ソフトなSМプレイ」を上演し蝋燭を垂らされて以来、「自分は基本がМなんだ」と自覚してはいたのだが、今年の「ある出来事」により、

「あぁ自分は苦痛を愛すことは出来ない。こりゃ、FBIに入るのは無理だな」と。

まぁ愛せたとしても、FBI捜査官の絶対条件「米国市民権を取る」さえクリアしていないのだから、なにをいっちゃっているんだという話なのだけれど。

ある出来事とは、今夏やっちまった腰痛である。

骨や靭帯の損傷・断裂を繰り返しているが、そっちのほうがマシだと思えるほどの痛み。

靴下を履けない。
排便がきつい。
移動がしんどい。
寝ていても痛い。

コルセットをした。
仕事を休んだ。

なのに、自慰は続けた、、、みたいな。

回復しても「またやってしまったら・・・」という恐怖心が芽生え、なかなかリズミカルな動きが出来ない。
ビミョーな体格の割に「速く動ける」というのが持ち味? だったのに。

膝をやったときもサポーターをなかなか外せなかったが・・・
とりあえず治ったという自覚はあっても、コルセットを外す勇気がなかった。

なんだ自分、そーとーなビビリじゃん!!


数ヶ月前が嘘であったかのように現在ではビンビン、、、じゃなくてピンピン。

強がりいってても、ひとは弱いものだね。どこかひとつ悪くするだけで、不安でいっぱいになるのだから。
おかしいな、あれだけジョギングとかしているのに―とか関係ない、
精神年齢は自慰覚えたての中学生だが、身体は確実にチューネン化している、、、ということなのだろう。


ところで。
原稿料だけで喰える月もあるにはあるが、それだけだとギリギリなのでアルバイトなんぞを。

腰の痛みで集中力を失い、いいものを書けないと判断した自分は原稿の依頼を断ったものの、アルバイトまで休んだら収入源を完全に失ってしまう。
だからコルセット巻いてハァハァいいながら職場まで行くと、身体動かすことをしない事務員が「なにもそこまでして・・・」などという。

うっせーな。
喰えないんだから、しゃーないだろ。

半人前に給料出すのがもったいないってか?

こころに余裕がないので、こういうヒトコトにいちいち腹を立ててしまうのだった。


だがこういう経験をする度に、ひとにやさしくなっていくことも事実。

♪ やさしくなりたい ♪

と願っても、なかなかどうして・・・だが、「ある苦痛」を味わった場合、「その苦痛」に関しては理解を示すようになる。

今回だってそう、腰をやったことのないひとは「どんな痛み?」と興味津々で聞いてくるだけだったのに対し、
やったことあるひとは、とても親切で「腰バンド」「コルセット」を貸してくれたり、「ああしたら、いい」「こうしたら、いい」「あそこの接骨院がいい」「いや、●●町の整体師がいい」だの、いろんなアドバイスをくれたもの。

苦痛の数だけ、ひとは大きくなるってことか。


冒頭のことばも、そういう意味なのかもしれない。

苦痛に耐えることではなく、苦痛を知って他者を理解することを目標にしているんじゃないか。


ねぇジョディ、そういうことなんでしょ?




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明日のコラムは・・・

『ツインテールは振り向かない』

コメント (2)
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