早々に年間の総括を終わらせてしまった自分だが、
先日、CSの映画専門チャンネル『ムービープラス』でも年間総括を展開していて、どれ、自分と社会一般とではどれくらいの「距離」があるのかと、興味深く視聴した。
司会は小堺一機、ゲストは批評家の渡辺祥子。
小堺さんの年度ベストは『ダークナイト ライジング』、渡辺さんは『アルゴ』だという。
それにしても『アルゴ』(トップ画像)は、予想を遥かに超えて好評である。
確かに面白いし、自分も年間ベストに選出しているが、「来春のオスカーに、からんでくるかも」と公開時にいっていた軽い? ジョークでさえ、なんとなく真実味を帯びてきたように思う。(実際、発表されたばかりの「ゴールデングローブ賞」でも、作品賞でノミネートされている)
映画好きにはたまらない題材であるほかに、ベン・アフレックがこれほどまでに純度の高いエンタメを!? という、うれしい驚きも加味されての高評価なのだと思う。
トピックスとして印象に残ったのが、東京国際映画祭の評価と、「いいものなのに(客が)入らない」現象に対する危機感。
前者は確かに思い返してみれば・・・
(1)本年の『アーティスト』でオスカーに輝いたミシェル・アザナヴィシウス監督は、『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』(2006)という作品で、第19回の東京サクラグランプリを受賞している。
(2)未だヒット中の『最強のふたり』(2011)は、第24回のサクラグランプリを受賞している。
・・・つまり、わが東京の映画祭は意外にも? 先見の明があるのかもしれない。
まぁ皮肉などいわずに、やるじゃないかTOKYO、と褒めてやりたい。
後者について渡辺さんは「観客の意欲も足りないんだ」と、静かに怒っていた。
いいねぇ、受け手に媚を売る批評家が多いなかで、じつに気持ちのいい発言だった。
小堺さんはそれを受けて「確かにいまのシネコンでは、観たい作品をひとつに絞って、それしか観ることをしないですからね。名画座とか二番館とかで映画を観た若いころは、三本立てとかが当たり前だったでしょう。観たい作品のためにほかの作品を我慢して観ることにしたら、そっちのほうに感動しちゃったりして、そういう出会いが少なくなっているのかもしれません」。
ファミレスでハンバーグステーキ頼んだら、メインではなく添え物のはずのジャガイモのほうが美味だったり。
3P系? のAVを観て、目当ての子よりも、もうひとりの子のほうがよかったり。
明らかにたとえを間違っているような気もするけれど、
期待していた作品が期待どおりだったこと以上に、よく分からないけれど触れてみた作品が抜群に面白かったこと―のほうが、確かにうれしい。
「たまたま」の幸福。
ただ幸福はそう簡単には訪れないので、犬のフンを踏んだり、急に雨に降られたり、ときには交通事故に遭ってしまうかもしれない。
でも外に出て歩いてみなけりゃ、素敵な女子にも巡り合わないでしょうよと。
そういう意味では所構わずウンコするワンちゃんにも、自分を轢いたドライバーにも感謝すべき・・・とまでは、渡辺さんはいってないけれども、
要は駄作との出会いもひっくるめて、受け手だって意欲、つまり努力が必要なんだと。
まったくそのとおり。
みんな、とりあえず映画館に行こうぜ。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(176)小松方正』
先日、CSの映画専門チャンネル『ムービープラス』でも年間総括を展開していて、どれ、自分と社会一般とではどれくらいの「距離」があるのかと、興味深く視聴した。
司会は小堺一機、ゲストは批評家の渡辺祥子。
小堺さんの年度ベストは『ダークナイト ライジング』、渡辺さんは『アルゴ』だという。
それにしても『アルゴ』(トップ画像)は、予想を遥かに超えて好評である。
確かに面白いし、自分も年間ベストに選出しているが、「来春のオスカーに、からんでくるかも」と公開時にいっていた軽い? ジョークでさえ、なんとなく真実味を帯びてきたように思う。(実際、発表されたばかりの「ゴールデングローブ賞」でも、作品賞でノミネートされている)
映画好きにはたまらない題材であるほかに、ベン・アフレックがこれほどまでに純度の高いエンタメを!? という、うれしい驚きも加味されての高評価なのだと思う。
トピックスとして印象に残ったのが、東京国際映画祭の評価と、「いいものなのに(客が)入らない」現象に対する危機感。
前者は確かに思い返してみれば・・・
(1)本年の『アーティスト』でオスカーに輝いたミシェル・アザナヴィシウス監督は、『OSS 117 私を愛したカフェオーレ』(2006)という作品で、第19回の東京サクラグランプリを受賞している。
(2)未だヒット中の『最強のふたり』(2011)は、第24回のサクラグランプリを受賞している。
・・・つまり、わが東京の映画祭は意外にも? 先見の明があるのかもしれない。
まぁ皮肉などいわずに、やるじゃないかTOKYO、と褒めてやりたい。
後者について渡辺さんは「観客の意欲も足りないんだ」と、静かに怒っていた。
いいねぇ、受け手に媚を売る批評家が多いなかで、じつに気持ちのいい発言だった。
小堺さんはそれを受けて「確かにいまのシネコンでは、観たい作品をひとつに絞って、それしか観ることをしないですからね。名画座とか二番館とかで映画を観た若いころは、三本立てとかが当たり前だったでしょう。観たい作品のためにほかの作品を我慢して観ることにしたら、そっちのほうに感動しちゃったりして、そういう出会いが少なくなっているのかもしれません」。
ファミレスでハンバーグステーキ頼んだら、メインではなく添え物のはずのジャガイモのほうが美味だったり。
3P系? のAVを観て、目当ての子よりも、もうひとりの子のほうがよかったり。
明らかにたとえを間違っているような気もするけれど、
期待していた作品が期待どおりだったこと以上に、よく分からないけれど触れてみた作品が抜群に面白かったこと―のほうが、確かにうれしい。
「たまたま」の幸福。
ただ幸福はそう簡単には訪れないので、犬のフンを踏んだり、急に雨に降られたり、ときには交通事故に遭ってしまうかもしれない。
でも外に出て歩いてみなけりゃ、素敵な女子にも巡り合わないでしょうよと。
そういう意味では所構わずウンコするワンちゃんにも、自分を轢いたドライバーにも感謝すべき・・・とまでは、渡辺さんはいってないけれども、
要は駄作との出会いもひっくるめて、受け手だって意欲、つまり努力が必要なんだと。
まったくそのとおり。
みんな、とりあえず映画館に行こうぜ。
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
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明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(176)小松方正』