90年代前半―。
ラップの浸透も関係があるのだろう、日本に「ちょっとした」黒人カルチャーのブームが起こって、
ブラックスプロイテーション映画(=黒人による、黒人のための娯楽映画)の再評価、
新作黒人映画(=スパイク・リー、ジョン・シングルトン)のスマッシュヒット、
そして、指導者マルコムX(トップ画像…隣りは解説不要のアリ)の「ファッション」(=Tシャツやキャップ)を取り入れる渋谷系? のアンちゃんが増えたりした。
自分は、もちろん? 渋谷系ではないが、そのデザインの格好よさから「Xキャップ」をかぶっていた時期がある。
マルコムXのブームは「なかなかに」ホンモノで、彼のスピーチを収録した2枚組CDまで発売された。
じつは自分も、購入している。
英語が得意というわけではないから、内容は分からない。
分からないが、そのリズムのよさに圧倒されたのだった。
ことばはリズムが命、それを思い知った。
米オスカー授賞式における印象的なスピーチについては、何度か言及しているので割愛しよう。
映画そのもので印象に残るスピーチは、(チャップリンは別格として)黒澤の『悪い奴ほどよく眠る』(60)の、冒頭で展開される披露宴。
新郎・三船に向かって、新婦・香川京子の兄・三橋達也が「妹を不幸せにしたら、お前、殺すぞ!」と、いい放つのだから。
会場は静まり返るが、どこかのオッチャン? が、「型破りだが、こころがこもっている」とフォローするところもナイス。
次点は『JFK』(91)、裁判シーンにおけるケビン・コスナーの大演説か。
これは陪審員に語りかけているように見えて、観客に対し「政府を疑え」とアジっている―さすがはオリバー・ストーン、なのである。
ともかくスピーチはたいへんだ。
思いつきだけで「うまくいく」ひとも居るだろうが、それは稀で、だからみんな、前日までの「原稿書き」に苦労するのだろう。
自分の生まれて初めてのスピーチは、朝日新聞調布専売所が企画してくれた「新聞奨学生を送る会」だった。
出席者は50人程度、そのなかで主役の奨学生は4人しかおらず、よく書いてよく喋る自分が答辞を担当することになっちゃったんである。
専売所の向かいには大映撮影所があり、そこの社員食堂を貸しきっておこなわれた。
さいしょのことばは覚えていない。
ただ「ウチの所長は最高!」と結んだのは確かで、これはマトモだったが、真ん中あたりの内容がひどかった。
同級生たちが放課後にカラオケ行こうよ! などと楽しんでいるときに、自分たちは夕刊を配達していた。
その配達中、遊んでいる同級生を見かけて腹が立った。彼らに「がんばれー!」などと声をかけられると、なんだか冷やかしのように感じられ、憎悪まで抱いた。
集金の期間中は、夕刊配達が終わると、すぐに集金バッグを抱えて各家庭をまわる。
その数時間後に、朝刊配達。授業中に眠くなるのも仕方ない。
・・・けど、そんなに忙しくても、僕は1日も休まずオナニーしてました。
ここで、大爆笑。
やった、受けたぜベイベー!!
うれしかったのが、無関係な食堂の店員まで腹を抱えて笑ってくれたこと。
低レベルなエロネタでも、受ければ結果オーライじゃないか。
以来―これでいいのだという誤った考えを持った自分は、場所をわきまえない低俗で下劣なスピーチばかりを披露し、同性には支持を受け異性からは軽蔑される、、、という事態を繰り返すことになるのだった。
めでたし、めでたし。
※映画史上最高のスピーチを、ぜひノーカットで
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『「U―50」フィルムメイカーGP』
ラップの浸透も関係があるのだろう、日本に「ちょっとした」黒人カルチャーのブームが起こって、
ブラックスプロイテーション映画(=黒人による、黒人のための娯楽映画)の再評価、
新作黒人映画(=スパイク・リー、ジョン・シングルトン)のスマッシュヒット、
そして、指導者マルコムX(トップ画像…隣りは解説不要のアリ)の「ファッション」(=Tシャツやキャップ)を取り入れる渋谷系? のアンちゃんが増えたりした。
自分は、もちろん? 渋谷系ではないが、そのデザインの格好よさから「Xキャップ」をかぶっていた時期がある。
マルコムXのブームは「なかなかに」ホンモノで、彼のスピーチを収録した2枚組CDまで発売された。
じつは自分も、購入している。
英語が得意というわけではないから、内容は分からない。
分からないが、そのリズムのよさに圧倒されたのだった。
ことばはリズムが命、それを思い知った。
米オスカー授賞式における印象的なスピーチについては、何度か言及しているので割愛しよう。
映画そのもので印象に残るスピーチは、(チャップリンは別格として)黒澤の『悪い奴ほどよく眠る』(60)の、冒頭で展開される披露宴。
新郎・三船に向かって、新婦・香川京子の兄・三橋達也が「妹を不幸せにしたら、お前、殺すぞ!」と、いい放つのだから。
会場は静まり返るが、どこかのオッチャン? が、「型破りだが、こころがこもっている」とフォローするところもナイス。
次点は『JFK』(91)、裁判シーンにおけるケビン・コスナーの大演説か。
これは陪審員に語りかけているように見えて、観客に対し「政府を疑え」とアジっている―さすがはオリバー・ストーン、なのである。
ともかくスピーチはたいへんだ。
思いつきだけで「うまくいく」ひとも居るだろうが、それは稀で、だからみんな、前日までの「原稿書き」に苦労するのだろう。
自分の生まれて初めてのスピーチは、朝日新聞調布専売所が企画してくれた「新聞奨学生を送る会」だった。
出席者は50人程度、そのなかで主役の奨学生は4人しかおらず、よく書いてよく喋る自分が答辞を担当することになっちゃったんである。
専売所の向かいには大映撮影所があり、そこの社員食堂を貸しきっておこなわれた。
さいしょのことばは覚えていない。
ただ「ウチの所長は最高!」と結んだのは確かで、これはマトモだったが、真ん中あたりの内容がひどかった。
同級生たちが放課後にカラオケ行こうよ! などと楽しんでいるときに、自分たちは夕刊を配達していた。
その配達中、遊んでいる同級生を見かけて腹が立った。彼らに「がんばれー!」などと声をかけられると、なんだか冷やかしのように感じられ、憎悪まで抱いた。
集金の期間中は、夕刊配達が終わると、すぐに集金バッグを抱えて各家庭をまわる。
その数時間後に、朝刊配達。授業中に眠くなるのも仕方ない。
・・・けど、そんなに忙しくても、僕は1日も休まずオナニーしてました。
ここで、大爆笑。
やった、受けたぜベイベー!!
うれしかったのが、無関係な食堂の店員まで腹を抱えて笑ってくれたこと。
低レベルなエロネタでも、受ければ結果オーライじゃないか。
以来―これでいいのだという誤った考えを持った自分は、場所をわきまえない低俗で下劣なスピーチばかりを披露し、同性には支持を受け異性からは軽蔑される、、、という事態を繰り返すことになるのだった。
めでたし、めでたし。
※映画史上最高のスピーチを、ぜひノーカットで
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
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明日のコラムは・・・
『「U―50」フィルムメイカーGP』