専門誌でないところが「映画」を特集している場合、一読/信用に値する雑誌は現時点で『BRUTUS』のみ―というのは、以前にも書いた。
ほかのは映画小僧からしてみれば「知ってるがな」ということばかりで、
いやそれはだから、映画小僧に向けて書かれたものではないのでそれでいいのだが、そうであることを理解しつつも書店で手に取り「浅い特集だなー」なんて悪口いってみたり、「だから俺に書かせろって!」などと先輩ライターの文章を貶したりしている。
『anan』最新号も映画を特集していて、まぁ若い女性向けの雑誌だし映画小僧の出る幕はないが、企画の一本に
「“観たことない”なんて、もったいない! 納得します、この監督がすごい理由。」
というのがあった。
こういう企画は、いいね。
「ゼッタイ泣ける10本」とかやるより、よっぽど意義のあることだと思うけど。
読んでないから分からないが、たぶんクリストファー・ノーランあたりが挙がるんじゃないか。
異論はないしね。
ではいっちょ、自分もやってみようかと。
世代を区切らないと「ユージュアル・フィルムメイカー」(スコセッシ、黒澤、リンチ、イマヘイ、デ・パルマ、オオシマ、塚本……)ばかりが並ぶことになるので、
「U―50」つまり50歳以下という、映画監督としては若いひとだけで選出していってみようか。
(1)ポール・トーマス・アンダーソン…42歳
映画小僧はPTAと略す。
『ブギーナイツ』(97)で頭角を現し、『マグノリア』(99)でその地位を決定的なものとする。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)で「むこうがわ」への探究を始め、その究極が新作『ザ・マスター』(文末予告編)なのだろうか。
(2)ウェス・アンダーソン…43歳
PTAが誇大妄想だとしたら、ウェス・アンダーソンは神経症。
『天才マックスの世界』(98)がスコセッシに評価され、以降、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001)や『ライフ・アクアティック』(2004)など佳作を連発する。
新作『ムーンライズ・キングダム』もそうらしいが、スターを多数起用した群像劇が得意。
(3)パク・チャヌク…49歳
韓国で最も次回作が気になるひと。
『JSA』(2000)のような大作も手がけるが、たぶん本質は『オールド・ボーイ』(2003)や『渇き』(2009)などの「毒」にある、、、と思う。
(4)西川美和…38歳(トップ画像)
自分と同年の才女。
ある意味で師匠の是枝裕和を抜いちゃっている。
『蛇イチゴ』(2002)、『ゆれる』(2006)、そして本年の『夢売るふたり』まで、ずっとオリジナルにこだわり続けている。
(5)石井裕也…29歳
このリストでは最年少。
『川の底からこんにちは』(2010)で加速、その勢いで満島ひかりを伴侶にする。
新作は「あの」ヒット小説『舟を編む』で、これは期待値大。
(6)ソフィア・コッポラ…41歳
もう親の七光りとはいわせないし、じつはもう、誰もそんなこといってない。
女優として挫折を経験してきたひとなので、意外と強いんだな。
『ヴァージン・スーサイズ』(99)もいいが、個人的には『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)がベスト。
(7)ダーレン・アロノフスキー…43歳
変人。
イメージとしては、デヴィッド・クローネンバーグ。
『π』(97)で映画小僧を熱狂させ、『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000)で強烈なインパクトを与える。
映像重視のひとかと思ったが、『レスラー』(2008)や『ブラック・スワン』(2010)で人間を描ける監督だと証明した。
(8)クエンティン・タランティーノ…49歳
コラムでは常連のひとなので、新味はないが。
しかしまだ、というか、もう、というか、49歳だったんだね。
映画小僧は、年を取らないってことで。
新作は西部劇『ジャンゴ 繋がれざる者』。
(9)ベン・アフレック…40歳
俳優としては親友のマット・デイモンのほうが好調だが、本年の『アルゴ』を観て感心、今後は監督として認識するひとが多くなるんじゃないか。
(10)吉田大八…49歳
個人的には日本の若手で、最も注目したいひと。
映像化の難しそうな『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(2007)をきっちり調理し、『パーマネント野ばら』(2010)で泣かせ、そして本年の『桐島、部活やめるってよ』で映像の持つカタルシスを爆発させた・・・いまのところ、そのキャリアにハズレなし。
次点は…タナダユキ
※なんの話か分からないのに、なぜか感動までしてしまう
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(25)』
ほかのは映画小僧からしてみれば「知ってるがな」ということばかりで、
いやそれはだから、映画小僧に向けて書かれたものではないのでそれでいいのだが、そうであることを理解しつつも書店で手に取り「浅い特集だなー」なんて悪口いってみたり、「だから俺に書かせろって!」などと先輩ライターの文章を貶したりしている。
『anan』最新号も映画を特集していて、まぁ若い女性向けの雑誌だし映画小僧の出る幕はないが、企画の一本に
「“観たことない”なんて、もったいない! 納得します、この監督がすごい理由。」
というのがあった。
こういう企画は、いいね。
「ゼッタイ泣ける10本」とかやるより、よっぽど意義のあることだと思うけど。
読んでないから分からないが、たぶんクリストファー・ノーランあたりが挙がるんじゃないか。
異論はないしね。
ではいっちょ、自分もやってみようかと。
世代を区切らないと「ユージュアル・フィルムメイカー」(スコセッシ、黒澤、リンチ、イマヘイ、デ・パルマ、オオシマ、塚本……)ばかりが並ぶことになるので、
「U―50」つまり50歳以下という、映画監督としては若いひとだけで選出していってみようか。
(1)ポール・トーマス・アンダーソン…42歳
映画小僧はPTAと略す。
『ブギーナイツ』(97)で頭角を現し、『マグノリア』(99)でその地位を決定的なものとする。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』(2007)で「むこうがわ」への探究を始め、その究極が新作『ザ・マスター』(文末予告編)なのだろうか。
(2)ウェス・アンダーソン…43歳
PTAが誇大妄想だとしたら、ウェス・アンダーソンは神経症。
『天才マックスの世界』(98)がスコセッシに評価され、以降、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(2001)や『ライフ・アクアティック』(2004)など佳作を連発する。
新作『ムーンライズ・キングダム』もそうらしいが、スターを多数起用した群像劇が得意。
(3)パク・チャヌク…49歳
韓国で最も次回作が気になるひと。
『JSA』(2000)のような大作も手がけるが、たぶん本質は『オールド・ボーイ』(2003)や『渇き』(2009)などの「毒」にある、、、と思う。
(4)西川美和…38歳(トップ画像)
自分と同年の才女。
ある意味で師匠の是枝裕和を抜いちゃっている。
『蛇イチゴ』(2002)、『ゆれる』(2006)、そして本年の『夢売るふたり』まで、ずっとオリジナルにこだわり続けている。
(5)石井裕也…29歳
このリストでは最年少。
『川の底からこんにちは』(2010)で加速、その勢いで満島ひかりを伴侶にする。
新作は「あの」ヒット小説『舟を編む』で、これは期待値大。
(6)ソフィア・コッポラ…41歳
もう親の七光りとはいわせないし、じつはもう、誰もそんなこといってない。
女優として挫折を経験してきたひとなので、意外と強いんだな。
『ヴァージン・スーサイズ』(99)もいいが、個人的には『ロスト・イン・トランスレーション』(2003)がベスト。
(7)ダーレン・アロノフスキー…43歳
変人。
イメージとしては、デヴィッド・クローネンバーグ。
『π』(97)で映画小僧を熱狂させ、『レクイエム・フォー・ドリーム』(2000)で強烈なインパクトを与える。
映像重視のひとかと思ったが、『レスラー』(2008)や『ブラック・スワン』(2010)で人間を描ける監督だと証明した。
(8)クエンティン・タランティーノ…49歳
コラムでは常連のひとなので、新味はないが。
しかしまだ、というか、もう、というか、49歳だったんだね。
映画小僧は、年を取らないってことで。
新作は西部劇『ジャンゴ 繋がれざる者』。
(9)ベン・アフレック…40歳
俳優としては親友のマット・デイモンのほうが好調だが、本年の『アルゴ』を観て感心、今後は監督として認識するひとが多くなるんじゃないか。
(10)吉田大八…49歳
個人的には日本の若手で、最も注目したいひと。
映像化の難しそうな『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(2007)をきっちり調理し、『パーマネント野ばら』(2010)で泣かせ、そして本年の『桐島、部活やめるってよ』で映像の持つカタルシスを爆発させた・・・いまのところ、そのキャリアにハズレなし。
次点は…タナダユキ
※なんの話か分からないのに、なぜか感動までしてしまう
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明日のコラムは・・・
『シネマしりとり「薀蓄篇」(25)』