映画に限定せず映像表現すべてのなかで「最も腹が減る料理の描写」を挙げるとするならば、
フジテレビで前々クールに放送された連続ドラマ、『ゴーイング マイ ホーム』(2012…トップ画像)だろう。
映画監督の是枝裕和が演出、山口智子の女優復帰作として話題にはなったものの、視聴率は振るわなかった。
料理の描写が際立っていたのも当然か、山口智子のキャラクターはフードスタイリストであり、是枝監督がこだわりにこだわって、丁寧に時間をかけて演出しカメラを回していることが観るものにはっきりと伝わってきたのである。
男が女がと書けば前時代的だといわれそうだが、台所イコール「かーちゃん」という記号が、やっぱり自分のなかにはある。
ときどき、とーちゃんが台所に立っていた記憶もあるが、出来上がったものが美味であったとしても、なんかそれはちがうんだよなぁ、、、と思ってしまう。
昔、小林よしのりが「男の手料理、女のカップ麺」という究極の選択を提示したことがあったが、大抵の男子は後者を選ぶのではないだろうか。そういうこと? なのである。
鶏肉―とくに唐揚げが好きで、すでに39歳の時点で、日本人が一生のうちに食べる平均の「3倍」は食べていると自負するものである、
町の弁当屋さん、スーパーの惣菜、有名店などなど、あらゆる唐揚げを試してきたつもりだが、かーちゃんの唐揚げを超えるものには未だ出会っていない。
おそらくそのまんまで死を迎えるのだろうが、しかしあれだ、20代のころは「かーちゃん、かーちゃん」と連呼していても、あなたのお母さんは早くに亡くなったものねぇ、恋しかろう、寂しかろう・・・などといわれたものだが、30代後半になってこんなことをほざいていると、単なるマザコンになっちまうから厄介だねぇ。
まぁマザコンであることは、否定しないけれど。
少年のころの自分が台所に立ったのは、そんなかーちゃんになにかを作ろうとしてのことだった。
誕生日プレゼントに料理、、、というわけである。
記憶が定かではないのでちょっと怪しいが、これが自分にとっての初料理・・・だと思う。
唐揚げ?
いやいや。
かーちゃんに「まだ油を使うのは危ないからダメ」と却下された。
小3でそういわれたということは、やや過保護だったのかもしれないね。
というか、落ち着きのないガキだったし、0歳のとき大火傷していたからかな。
というわけで、ポテトサラダに決定。
料理出来るひとにとっては「簡単に出来るひとつ」かもしれないが、料理音痴にとってはジャガイモの皮むきが大きな壁となる。
当時もそうだったし、じつは、いま作ろうとしても皮むきで挫折してしまうのである。
なぜ「真ん丸」ではないんだ、凸凹めっ! なんて思いながら悪戦苦闘する。
結果、モノスゴ「厚くむく」ことになって、そこそこデカかったはずのジャガイモは小ぶりになる。
もったいないが、ここは勘弁してほしい。
しかし難所は皮むき程度で、それさえクリアすればポテトサラダは「まあまあ簡単」であることは分かった。
ただ、記憶が確かならば土曜の14時くらいから始めて、出来上がったのは18時くらいだったけれどね!
問題は、味である。
愛が詰まっているとか抽象的な評価は要らない、要は美味いか不味いかだ・・・とは思っているけれど、やっぱり褒められたい、、、という気持ちが伝わったのかどうか、かーちゃんは「美味しい、美味しい♪」といって、沢山食べてくれた。
この「どう? 美味しい?」と聞く感覚と、
自分の文章を「どう? 面白い?」と聞く感覚って、ほぼ一緒なのだよね。
そもそも料理とはクリエイティブなものといわれており、その感覚を理解しているのであれば、もう少し料理が好きになってもいいものなのだが、
なかなか、そういうわけには、、、ねぇ。
おわり。
※『ゴーイング マイ ホーム』主題歌
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『黒帯幻想は、死んだのか』
フジテレビで前々クールに放送された連続ドラマ、『ゴーイング マイ ホーム』(2012…トップ画像)だろう。
映画監督の是枝裕和が演出、山口智子の女優復帰作として話題にはなったものの、視聴率は振るわなかった。
料理の描写が際立っていたのも当然か、山口智子のキャラクターはフードスタイリストであり、是枝監督がこだわりにこだわって、丁寧に時間をかけて演出しカメラを回していることが観るものにはっきりと伝わってきたのである。
男が女がと書けば前時代的だといわれそうだが、台所イコール「かーちゃん」という記号が、やっぱり自分のなかにはある。
ときどき、とーちゃんが台所に立っていた記憶もあるが、出来上がったものが美味であったとしても、なんかそれはちがうんだよなぁ、、、と思ってしまう。
昔、小林よしのりが「男の手料理、女のカップ麺」という究極の選択を提示したことがあったが、大抵の男子は後者を選ぶのではないだろうか。そういうこと? なのである。
鶏肉―とくに唐揚げが好きで、すでに39歳の時点で、日本人が一生のうちに食べる平均の「3倍」は食べていると自負するものである、
町の弁当屋さん、スーパーの惣菜、有名店などなど、あらゆる唐揚げを試してきたつもりだが、かーちゃんの唐揚げを超えるものには未だ出会っていない。
おそらくそのまんまで死を迎えるのだろうが、しかしあれだ、20代のころは「かーちゃん、かーちゃん」と連呼していても、あなたのお母さんは早くに亡くなったものねぇ、恋しかろう、寂しかろう・・・などといわれたものだが、30代後半になってこんなことをほざいていると、単なるマザコンになっちまうから厄介だねぇ。
まぁマザコンであることは、否定しないけれど。
少年のころの自分が台所に立ったのは、そんなかーちゃんになにかを作ろうとしてのことだった。
誕生日プレゼントに料理、、、というわけである。
記憶が定かではないのでちょっと怪しいが、これが自分にとっての初料理・・・だと思う。
唐揚げ?
いやいや。
かーちゃんに「まだ油を使うのは危ないからダメ」と却下された。
小3でそういわれたということは、やや過保護だったのかもしれないね。
というか、落ち着きのないガキだったし、0歳のとき大火傷していたからかな。
というわけで、ポテトサラダに決定。
料理出来るひとにとっては「簡単に出来るひとつ」かもしれないが、料理音痴にとってはジャガイモの皮むきが大きな壁となる。
当時もそうだったし、じつは、いま作ろうとしても皮むきで挫折してしまうのである。
なぜ「真ん丸」ではないんだ、凸凹めっ! なんて思いながら悪戦苦闘する。
結果、モノスゴ「厚くむく」ことになって、そこそこデカかったはずのジャガイモは小ぶりになる。
もったいないが、ここは勘弁してほしい。
しかし難所は皮むき程度で、それさえクリアすればポテトサラダは「まあまあ簡単」であることは分かった。
ただ、記憶が確かならば土曜の14時くらいから始めて、出来上がったのは18時くらいだったけれどね!
問題は、味である。
愛が詰まっているとか抽象的な評価は要らない、要は美味いか不味いかだ・・・とは思っているけれど、やっぱり褒められたい、、、という気持ちが伝わったのかどうか、かーちゃんは「美味しい、美味しい♪」といって、沢山食べてくれた。
この「どう? 美味しい?」と聞く感覚と、
自分の文章を「どう? 面白い?」と聞く感覚って、ほぼ一緒なのだよね。
そもそも料理とはクリエイティブなものといわれており、その感覚を理解しているのであれば、もう少し料理が好きになってもいいものなのだが、
なかなか、そういうわけには、、、ねぇ。
おわり。
※『ゴーイング マイ ホーム』主題歌
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『黒帯幻想は、死んだのか』