本日よりスピルバーグの『リンカーン』が公開されるが、
少し前にはアンソニー・ホプキンスが鬼才を演じた『ヒッチコック』が公開され、
先日のサッチャー死去の際、また観てみようと思ったのはメリル・ストリープがサッチャーを演じた伝記映画である。
映画史を俯瞰で眺めれば「いつだって創られている」気もしてくるが、ここ数年、伝記映画が多いように思う。
俳優にとって実在した人物というのは演じ甲斐があるのだろう、
オスカー・シンドラーもジム・ギャリソンもリンカーンだって「ほんとうは、そうじゃなかった」「間違いだらけ」なんていわれることもあるが、ノンフィクションではないのだから多少の創作には目をつむりたい、
映画で興味を持ち、そこから本格的に調べていく・・・というひとが増えるのであれば、いいことじゃないか。
もし自分がプロデューサーだったら?
焼死したAV女優、桜井望とか。
不謹慎を承知でいえば、それこそ岡田有希子とか松本智津夫とか面白いと思う。
というか、このあたりはどんな批判を受けようが米国だとしたら「とっくの昔に」映像化されているはずで、ここらへんに手を出さないところが、日本人のおくゆかしさ? なのかもしれない。
で、肝心の『リンカーン』だが、派手なトピックスを省いて一本の映画にしたところに、スピルバーグの覚悟のようなものを感じてさすがだなぁと思った。
ダニエル・デイ=ルイス様の演技は相変わらず素晴らしいのだが、似ているのかどうかは写真資料と見比べるほかはなく、声まで似せたとはいうが、ほんとうのところは分からない。
ホプキンス爺のヒッチコックは、映像資料が沢山残っているから「そっくり!」といい易いのだけれど。
今宵は、そんな俳優たちの名演技が光る伝記映画の10傑を。
けっこう前に特集したような気もするが、あらためて・・・というか、今回は伝記を拡大解釈し、実在した人物を取り上げたすべての映画を対象にしてみたい。
(1)『サバイビング・ピカソ』(96…文末動画参照)
あらゆるキャラクターになりきるホプキンス爺だが、そのなかでひとつを選べば、これになる。
もう完全に、ピカソに成りきっている。
(2)『ドアーズ』(91)
オリバー・ストーンの映画としては失敗作かもしれないが、ジム・モリソンを演じたヴァル・キルマーが「そっくり」に過ぎ、ちょっと気味が悪いほど、、、なのだった。
(3)『ガンジー』(82)
「顔だけで選んだでしょ?」と突っ込みたくなる、ベン・キングスレーのガンジー。
しかしキングスレーが素晴らしいのは、その後、このキャラクターの呪縛から見事に解放されたこと。
(4)『アンタッチャブル』(87)
史実をオールスターキャストで。
いかにも映画的で、こういうのは沢山創られるべき。
(5)『愛のコリーダ』(76)
吉蔵と定の愛憎を、ポルノとして描く傑作。
何度も観返したい気持ちもあるのだが、ちょっと嫉妬するので、なかなか観ることが出来ない―という自分ってヘンですか?
(6)『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』(98)
天才チェリストの気の触れた日常を、エミリー・ワトソンが熱演。
脇汗ばっかり気にする描写が、なんとなくキュート。
(7)『JFK』(91)
暴力的なまでの編集術を用い、ケネディ暗殺の真相に迫る。
オリバー・ストーン、いまのところの最高傑作。
(8)『エレファントマン』(80)
「象男」と呼ばれたジョセフ・メリックの半生を、デヴィッド・リンチが映像化。
モノクロームが効いている。
(9)『アビエイター』(2004)
スコセッシ×レオくんが描く、実業家にして映画監督ハワード・ヒューズの物語。
ただレオくんよりも、キャサリン・ヘプバーンを演じたケイト・ブランシェットのほうがよかった。
(10)『ソーシャル・ネットワーク』(2010)
Facebook創設者のザッカーバーグを描く、デヴィッド・フィンチャーによる佳作。
最初は頭に「THE」が冠せられていたのに、友人から「ダサい、外せ」といわれたエピソードとか面白かった。
10年以上前であれば「THE」はクールだったはずなのに、もうそうではないのだよね。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『コスる。』
少し前にはアンソニー・ホプキンスが鬼才を演じた『ヒッチコック』が公開され、
先日のサッチャー死去の際、また観てみようと思ったのはメリル・ストリープがサッチャーを演じた伝記映画である。
映画史を俯瞰で眺めれば「いつだって創られている」気もしてくるが、ここ数年、伝記映画が多いように思う。
俳優にとって実在した人物というのは演じ甲斐があるのだろう、
オスカー・シンドラーもジム・ギャリソンもリンカーンだって「ほんとうは、そうじゃなかった」「間違いだらけ」なんていわれることもあるが、ノンフィクションではないのだから多少の創作には目をつむりたい、
映画で興味を持ち、そこから本格的に調べていく・・・というひとが増えるのであれば、いいことじゃないか。
もし自分がプロデューサーだったら?
焼死したAV女優、桜井望とか。
不謹慎を承知でいえば、それこそ岡田有希子とか松本智津夫とか面白いと思う。
というか、このあたりはどんな批判を受けようが米国だとしたら「とっくの昔に」映像化されているはずで、ここらへんに手を出さないところが、日本人のおくゆかしさ? なのかもしれない。
で、肝心の『リンカーン』だが、派手なトピックスを省いて一本の映画にしたところに、スピルバーグの覚悟のようなものを感じてさすがだなぁと思った。
ダニエル・デイ=ルイス様の演技は相変わらず素晴らしいのだが、似ているのかどうかは写真資料と見比べるほかはなく、声まで似せたとはいうが、ほんとうのところは分からない。
ホプキンス爺のヒッチコックは、映像資料が沢山残っているから「そっくり!」といい易いのだけれど。
今宵は、そんな俳優たちの名演技が光る伝記映画の10傑を。
けっこう前に特集したような気もするが、あらためて・・・というか、今回は伝記を拡大解釈し、実在した人物を取り上げたすべての映画を対象にしてみたい。
(1)『サバイビング・ピカソ』(96…文末動画参照)
あらゆるキャラクターになりきるホプキンス爺だが、そのなかでひとつを選べば、これになる。
もう完全に、ピカソに成りきっている。
(2)『ドアーズ』(91)
オリバー・ストーンの映画としては失敗作かもしれないが、ジム・モリソンを演じたヴァル・キルマーが「そっくり」に過ぎ、ちょっと気味が悪いほど、、、なのだった。
(3)『ガンジー』(82)
「顔だけで選んだでしょ?」と突っ込みたくなる、ベン・キングスレーのガンジー。
しかしキングスレーが素晴らしいのは、その後、このキャラクターの呪縛から見事に解放されたこと。
(4)『アンタッチャブル』(87)
史実をオールスターキャストで。
いかにも映画的で、こういうのは沢山創られるべき。
(5)『愛のコリーダ』(76)
吉蔵と定の愛憎を、ポルノとして描く傑作。
何度も観返したい気持ちもあるのだが、ちょっと嫉妬するので、なかなか観ることが出来ない―という自分ってヘンですか?
(6)『ほんとうのジャクリーヌ・デュ・プレ』(98)
天才チェリストの気の触れた日常を、エミリー・ワトソンが熱演。
脇汗ばっかり気にする描写が、なんとなくキュート。
(7)『JFK』(91)
暴力的なまでの編集術を用い、ケネディ暗殺の真相に迫る。
オリバー・ストーン、いまのところの最高傑作。
(8)『エレファントマン』(80)
「象男」と呼ばれたジョセフ・メリックの半生を、デヴィッド・リンチが映像化。
モノクロームが効いている。
(9)『アビエイター』(2004)
スコセッシ×レオくんが描く、実業家にして映画監督ハワード・ヒューズの物語。
ただレオくんよりも、キャサリン・ヘプバーンを演じたケイト・ブランシェットのほうがよかった。
(10)『ソーシャル・ネットワーク』(2010)
Facebook創設者のザッカーバーグを描く、デヴィッド・フィンチャーによる佳作。
最初は頭に「THE」が冠せられていたのに、友人から「ダサい、外せ」といわれたエピソードとか面白かった。
10年以上前であれば「THE」はクールだったはずなのに、もうそうではないのだよね。
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『コスる。』