帰省した際のエピソードを二夜連続で展開してみたい。
東京に戻る前日―。
自分が少年期を過ごした家が取り壊されることを知らされる。
トップ画像は、その玄関で撮られた保育園時代の自分。
まだナニをナニすると気持ちいい、、、ことさえ知らぬ、汚れ・穢れのない瞳をしているのが救い? だ。
さて。
3.11のパワーは群馬でも凄まじかったようで、赤い屋根の、小さくて可愛い平屋をおおきく揺らした。
屋根瓦が吹っ飛び、応急処置はしたものの危険度がゼロになったわけではない―というのが取り壊しの理由だが、
東京で「自分ひとりで生きてきた」みたいな感じでノホホンとやっている自分が意見をいえる立場ではない、
だから賛成だとか反対だとかいうつもりはないけれど、聞いた瞬間は軽く動揺したというか、一抹の寂しさを覚えたわけで。
初めてアルバイトした映画館が取り壊されたり、パン工場が閉鎖されたり、前住居も取り壊されており、
つくづく「取り壊し」や「閉鎖」に縁のある人生だなぁと。
実家で過ごしていたころ、最も印象に残っていること、、、というわけではない話を敢えて記してみようと思う。
少年のひたむき? さ、阿呆さが際立ち、結果的に普遍性を得ているような気がするので。
高校2年生のころの話である。
学校を終え、いつものようにチャリで自宅に戻ってくると、縁側付近に見知らぬ男が3人立っている。
見知らぬと書いたが季節は晩秋、時刻は18時を回っていた。
自宅から漏れる灯りだけが頼りだから、誰だか分からなくとも不思議ではない。
ないのだが、「よぉ、まっき~、久し振り!」と声を聞いてもピンとこなかった。
「ん?」
「“ん?”って、三中で一緒だったAだよ」
「俺、B」
「俺はC」
と、丁寧に自己紹介してもらい、敵? でないことで安心はしたが、中学時代の同級生とはいえ、それほど・・・いや訂正、ぜんぜん親しくなかったものだから、逆に訝しがる自分。
「どうしたの?」
「・・・いや、ね、まっき~のお母さんには、まっき~の部屋で待ってなさいといわれたんだけれど」
「うん」
「用事が、用事だから」
「なに?」
「あのさ俺たち、裏ビデオ観たいんだけど」
「・・・へ?」
「凄く観たいんだ」
「・・・」
「まっき~、そういうの持ってるんだろ、裏ビデオ」
「・・・持ってない、、、といえば嘘になるけど」
「やっぱり」
「やっぱり?」
「俺たちの高校で有名人なんだよ、まっき~って」
「俺が!? 太田東で?」
高校名を出しちゃったけれど、まぁいいか。
ともかく太田東は自分の通う西邑楽(にしおうら)よりも偏差値が高く、そんなハイレベルな高校で自分が「エロで」有名になっているなんて、ちょっと信じられなかった。
「裏、貸してくれる? 裏」
「裏、観たいんだ、裏」
「オモテは何度も観てるんだけれどね、裏はまだ」
そう裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏と、連呼されても。
「ひとつだけあるけど、それ、いまクラスメイトに貸しちゃってる」
「えっ、ひとつだけ?」
「うん、ひとつだけ」
「なんで?」
「・・・と、いわれても(苦笑)」
「100本くらいあるって、噂で聞いた」
「俺も聞いた。だから、まっき~の家を知っている俺が、きょうコイツらを連れてきたの」
100本って、あなた。
あれか、その昔、キン肉マン消しゴムを1000個持っているとホラを吹いたから、そのバチが当たったということか。
それともあれか、ガンダムの劇場版で「ジオングに足がつく」とホラを吹いたから、騙された同級生が仕返しのためにデマを流しているのか。
どっちにしてもサイテーなガキであるが、
自分、いまもそうなのだが想像することが好きでね、モザイクがあったほうが興奮する性質の持ち主なのだった。
それを丁寧に説明し、「オモテなら50本くらいある」といってみる。
すると白けた感じで「オモテはなぁ、、、」などと返され「じゃあ、帰るわ」と。
世の中の不幸、そのすべてを背負ったかのような、背中。
自分の家までそーとーな距離があったはずで、収穫ゼロで帰すのはちょっと気の毒ではあったが、ないものはない。
つーか、ヨソの高校で、しかもエロで有名になるとはなぁ。
どえらい美女と付き合っているとか、そういうので広まりたかったけれど。
・・・と、ここまで記してきて、取り壊される家そのものは、ほとんど出てきていないことに気づく。
しかし、この家でナニをナニすると気持ちいい、、、ということを覚えたわけでね、
現在の自分はナニをナニすると気持ちいい、、、ということを原動力に生きているようなところがあって、
つまりあれだ、自分の性の原点であったと。
こんなオチでは天国のかーちゃんも悲しむような気がするが、イマサラ格好つけてもしょうがないものね、
一抹の寂しさが性の想い出とリンクするところに自分自身を見た気がして、なんとなく感慨深くなるのだった。
※そんな自分の、性春のアイドル・・・朝岡実嶺
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『The Freakshow』
東京に戻る前日―。
自分が少年期を過ごした家が取り壊されることを知らされる。
トップ画像は、その玄関で撮られた保育園時代の自分。
まだナニをナニすると気持ちいい、、、ことさえ知らぬ、汚れ・穢れのない瞳をしているのが救い? だ。
さて。
3.11のパワーは群馬でも凄まじかったようで、赤い屋根の、小さくて可愛い平屋をおおきく揺らした。
屋根瓦が吹っ飛び、応急処置はしたものの危険度がゼロになったわけではない―というのが取り壊しの理由だが、
東京で「自分ひとりで生きてきた」みたいな感じでノホホンとやっている自分が意見をいえる立場ではない、
だから賛成だとか反対だとかいうつもりはないけれど、聞いた瞬間は軽く動揺したというか、一抹の寂しさを覚えたわけで。
初めてアルバイトした映画館が取り壊されたり、パン工場が閉鎖されたり、前住居も取り壊されており、
つくづく「取り壊し」や「閉鎖」に縁のある人生だなぁと。
実家で過ごしていたころ、最も印象に残っていること、、、というわけではない話を敢えて記してみようと思う。
少年のひたむき? さ、阿呆さが際立ち、結果的に普遍性を得ているような気がするので。
高校2年生のころの話である。
学校を終え、いつものようにチャリで自宅に戻ってくると、縁側付近に見知らぬ男が3人立っている。
見知らぬと書いたが季節は晩秋、時刻は18時を回っていた。
自宅から漏れる灯りだけが頼りだから、誰だか分からなくとも不思議ではない。
ないのだが、「よぉ、まっき~、久し振り!」と声を聞いてもピンとこなかった。
「ん?」
「“ん?”って、三中で一緒だったAだよ」
「俺、B」
「俺はC」
と、丁寧に自己紹介してもらい、敵? でないことで安心はしたが、中学時代の同級生とはいえ、それほど・・・いや訂正、ぜんぜん親しくなかったものだから、逆に訝しがる自分。
「どうしたの?」
「・・・いや、ね、まっき~のお母さんには、まっき~の部屋で待ってなさいといわれたんだけれど」
「うん」
「用事が、用事だから」
「なに?」
「あのさ俺たち、裏ビデオ観たいんだけど」
「・・・へ?」
「凄く観たいんだ」
「・・・」
「まっき~、そういうの持ってるんだろ、裏ビデオ」
「・・・持ってない、、、といえば嘘になるけど」
「やっぱり」
「やっぱり?」
「俺たちの高校で有名人なんだよ、まっき~って」
「俺が!? 太田東で?」
高校名を出しちゃったけれど、まぁいいか。
ともかく太田東は自分の通う西邑楽(にしおうら)よりも偏差値が高く、そんなハイレベルな高校で自分が「エロで」有名になっているなんて、ちょっと信じられなかった。
「裏、貸してくれる? 裏」
「裏、観たいんだ、裏」
「オモテは何度も観てるんだけれどね、裏はまだ」
そう裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏裏と、連呼されても。
「ひとつだけあるけど、それ、いまクラスメイトに貸しちゃってる」
「えっ、ひとつだけ?」
「うん、ひとつだけ」
「なんで?」
「・・・と、いわれても(苦笑)」
「100本くらいあるって、噂で聞いた」
「俺も聞いた。だから、まっき~の家を知っている俺が、きょうコイツらを連れてきたの」
100本って、あなた。
あれか、その昔、キン肉マン消しゴムを1000個持っているとホラを吹いたから、そのバチが当たったということか。
それともあれか、ガンダムの劇場版で「ジオングに足がつく」とホラを吹いたから、騙された同級生が仕返しのためにデマを流しているのか。
どっちにしてもサイテーなガキであるが、
自分、いまもそうなのだが想像することが好きでね、モザイクがあったほうが興奮する性質の持ち主なのだった。
それを丁寧に説明し、「オモテなら50本くらいある」といってみる。
すると白けた感じで「オモテはなぁ、、、」などと返され「じゃあ、帰るわ」と。
世の中の不幸、そのすべてを背負ったかのような、背中。
自分の家までそーとーな距離があったはずで、収穫ゼロで帰すのはちょっと気の毒ではあったが、ないものはない。
つーか、ヨソの高校で、しかもエロで有名になるとはなぁ。
どえらい美女と付き合っているとか、そういうので広まりたかったけれど。
・・・と、ここまで記してきて、取り壊される家そのものは、ほとんど出てきていないことに気づく。
しかし、この家でナニをナニすると気持ちいい、、、ということを覚えたわけでね、
現在の自分はナニをナニすると気持ちいい、、、ということを原動力に生きているようなところがあって、
つまりあれだ、自分の性の原点であったと。
こんなオチでは天国のかーちゃんも悲しむような気がするが、イマサラ格好つけてもしょうがないものね、
一抹の寂しさが性の想い出とリンクするところに自分自身を見た気がして、なんとなく感慨深くなるのだった。
※そんな自分の、性春のアイドル・・・朝岡実嶺
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