「―怖いこととかは、ない?」
「・・・慣れるまでは、自宅は怖かった」
「あぁ、ホテルじゃなくて、お客さんの自宅ということね」
「うん」
「自分のような客だ」
「(笑う)うん」
「でも大抵のお客さんが恋人気分を味わうために呼んでいるから、想像以上に優しくしてくれる」
「そういうものだと思うよ、むしろホテル利用の客のほうが即物的というか、パパパッと済ませて冷たい感じとかじゃない?」
「そうかも」
「嫌なことは?」
「うーん」
「やっぱりあれでしょ、嫌いなタイプに抱かれるというのは、、、」
「それもそうだけど、仕事と割り切れば」
「さすがに強いね」
「でもチェンジは傷つく」
「・・・チェンジかぁ」
「割り切っていても、それはね」
「きのうも別の子に話を聞いたんだけれど、いちばんきついのはチェンジだって」
「あたしらだって、傷つくことあるもん」
「そりゃそうだ」
「ドア開けた途端に“チェンジ”と伝えられて、代わりに来た子があたしよりブスで体型もひどくて、、、」
「・・・」
「なのに、その子のほうがいいって判断されたとき」
AV女優へのインタビューがメインだが、ときどきデリヘル嬢の話も聞く。
派遣型風俗店で働く女子たちね。(写真はイメージです)
雑誌原稿のために店長の紹介で女子に会わせてもらう場合もあれば、
単なるリサーチのため、客として自宅に女子を呼ぶ場合もある。
「えっ、じゃあきょうは、話すだけ?」
「・・・そのつもりだったけど」
「(笑う)したい?」
・・・・・まぁそういうわけで、サイテーな取材といわれれば否定はしない。
AV嬢と共通した悩みは「感じていないのに、感じている振りをすること」だが、これはまぁそういう職業だからしょうがない、
ただ、AV嬢にはない「チェンジ」での傷心に関しては自分も気の毒だなぁと思う。
「チェンジ」とは文字どおり相手を変えること。
昔は手数料を取る店が多かったが、競争相手が増えたために無料にする店も増えたと聞く。
代打が、その子にとって「自分より上」と思っている子だったらあきらめがつくそうなのである、
けれども、そうじゃないケースのほうが多いようで、
「なぜ、あたしじゃなくてアイツなの!?」
などと考え、ひどく落ち込むのだそうだ。
「そういう日は、どうするの?」
「ヤケ酒ヤケ食いの日もあるし、もしそのあと、お客さんの指名があったとしたら、ふだんよりサービスしちゃうかもしれない」
「それはそれで、その客はラッキーだ」
「(笑う)うん、そうだね」
デリバリーヘルスという和製英語が生まれたのは90年代末、けれどもサービスそのものの歴史は古い。
携帯電話が普及し、
さらに風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)が改定されて以降に現在の形が出来上がり、それ以前は「特殊な事情を持つ」女子がひっそりと働いていたが、
敷居が低くなった? ため、現在は「え!?」と客が驚くような女子大生も多いし、人妻だって沢山居る。
そこの善悪は問わない。
というか、彼女らの話を聞いて小銭を稼ぐ自分が問えるわけないし、そもそも自分だって昔はヘビーユーザーだったし。
ただ、彼女たちの話を聞いていて、
たとえ自分のタイプではない子がやってきたとしても「チェンジ!」といえない自分は、切なさでいっぱいになり、「飯、おごるよ」といい、ピザを注文したのだった。
デリバリーヘルス嬢を呼び、ピザのデリバリーを頼む自分ってどうよ? という話である。
※こういう世界は、やっぱり園監督に撮ってほしい。こんどはドキュメンタリータッチで。
…………………………………………
本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(216)田中邦衛』
「・・・慣れるまでは、自宅は怖かった」
「あぁ、ホテルじゃなくて、お客さんの自宅ということね」
「うん」
「自分のような客だ」
「(笑う)うん」
「でも大抵のお客さんが恋人気分を味わうために呼んでいるから、想像以上に優しくしてくれる」
「そういうものだと思うよ、むしろホテル利用の客のほうが即物的というか、パパパッと済ませて冷たい感じとかじゃない?」
「そうかも」
「嫌なことは?」
「うーん」
「やっぱりあれでしょ、嫌いなタイプに抱かれるというのは、、、」
「それもそうだけど、仕事と割り切れば」
「さすがに強いね」
「でもチェンジは傷つく」
「・・・チェンジかぁ」
「割り切っていても、それはね」
「きのうも別の子に話を聞いたんだけれど、いちばんきついのはチェンジだって」
「あたしらだって、傷つくことあるもん」
「そりゃそうだ」
「ドア開けた途端に“チェンジ”と伝えられて、代わりに来た子があたしよりブスで体型もひどくて、、、」
「・・・」
「なのに、その子のほうがいいって判断されたとき」
AV女優へのインタビューがメインだが、ときどきデリヘル嬢の話も聞く。
派遣型風俗店で働く女子たちね。(写真はイメージです)
雑誌原稿のために店長の紹介で女子に会わせてもらう場合もあれば、
単なるリサーチのため、客として自宅に女子を呼ぶ場合もある。
「えっ、じゃあきょうは、話すだけ?」
「・・・そのつもりだったけど」
「(笑う)したい?」
・・・・・まぁそういうわけで、サイテーな取材といわれれば否定はしない。
AV嬢と共通した悩みは「感じていないのに、感じている振りをすること」だが、これはまぁそういう職業だからしょうがない、
ただ、AV嬢にはない「チェンジ」での傷心に関しては自分も気の毒だなぁと思う。
「チェンジ」とは文字どおり相手を変えること。
昔は手数料を取る店が多かったが、競争相手が増えたために無料にする店も増えたと聞く。
代打が、その子にとって「自分より上」と思っている子だったらあきらめがつくそうなのである、
けれども、そうじゃないケースのほうが多いようで、
「なぜ、あたしじゃなくてアイツなの!?」
などと考え、ひどく落ち込むのだそうだ。
「そういう日は、どうするの?」
「ヤケ酒ヤケ食いの日もあるし、もしそのあと、お客さんの指名があったとしたら、ふだんよりサービスしちゃうかもしれない」
「それはそれで、その客はラッキーだ」
「(笑う)うん、そうだね」
デリバリーヘルスという和製英語が生まれたのは90年代末、けれどもサービスそのものの歴史は古い。
携帯電話が普及し、
さらに風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)が改定されて以降に現在の形が出来上がり、それ以前は「特殊な事情を持つ」女子がひっそりと働いていたが、
敷居が低くなった? ため、現在は「え!?」と客が驚くような女子大生も多いし、人妻だって沢山居る。
そこの善悪は問わない。
というか、彼女らの話を聞いて小銭を稼ぐ自分が問えるわけないし、そもそも自分だって昔はヘビーユーザーだったし。
ただ、彼女たちの話を聞いていて、
たとえ自分のタイプではない子がやってきたとしても「チェンジ!」といえない自分は、切なさでいっぱいになり、「飯、おごるよ」といい、ピザを注文したのだった。
デリバリーヘルス嬢を呼び、ピザのデリバリーを頼む自分ってどうよ? という話である。
※こういう世界は、やっぱり園監督に撮ってほしい。こんどはドキュメンタリータッチで。
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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』
前ブログのコラムを完全保存『macky’s hole』
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明日のコラムは・・・
『にっぽん男優列伝(216)田中邦衛』