Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(64)

2014-01-20 00:30:00 | コラム
自分が単独でナンパをし、生まれて初めて成功させた話。

2000年の秋だったと記憶する・・・から、いまから13年くらい前、自分が20代の後半だったころの出来事である。

場所は渋谷の映画館、シネマライズだった。
目当ての映画は『ヴァージン・スーサイズ』(99)、コッポラの愛娘ソフィアが初めて映画監督に挑戦した作品で、日本でもスマッシュ・ヒットを記録している。

美人で有名だった5人娘が「全員」自殺を遂げるというショッキングな物語。
しかしソフィアはそれを「なんてことないようなこと」みたいな感じ? で表現してみせ、「ガーリー趣味全開」のセンス溢れる映像詩として完成させている。

時代がちがえば、あるいは単なる悪趣味映画として駄作の烙印を押されたことだろう。
けれども時代の「ほんのちょっと先」を見据えていたソフィアのセンスは10~20代女子の琴線に触れ、いつ行っても満員状態という支持を集めたのである。

当時はミニシアターブームの隆盛期で、そのトップを走るのが渋谷シネマライズだった。
独走といってよかった。
ライズでかかる映画を観ておけば間違いない―そんな空気さえ漂っていて、実際、自分はここでかかる映画だけは観逃さないでおこうと意気込んでいた。

だからもちろん、ガーリー女子に向けられた? この映画もひとりで観に行った。
周りは女子ばかりだが、へん、気にしないもん、、、なんてね。
いい香りがするし、ここは天国じゃないかと。

映画そのものは、物語があってないようなもの。
トラン・アン・ユンの『夏至』(2000)もそうだったが、映像の心地よさを最優先にした創りだから、物語に集中することはせず、最初から最後までボーっとしていたというか。

浮遊する映像だけでなく、
周りのガーリーなperfume感がそうさせていた?

それもあるけれど、理由はほかにもあった。

自分の真横に座る女子が、あまりにも可憐だったからである。

自分は開場の10分前に行列に並んでいた。
その後ろに立っていたのが、彼女だった。

席には、自分のほうが先に着いた。
まだ席が埋まっていないにも関わらず、彼女は自分の横に座ったのである。

彼女にとってのベストポジションというだけで、他意はなかった。
(それは、あとから聞いてみた)

で、上映中。
ソフィアの映像センスに感心はしたが、それ以上の感慨はなかった。
横が彼女じゃなかったら、もう少し感じ入ったかもしれないけれど。

あまりにも可憐で素敵なものだから、もう恋をしていた。
そこで上映後、声をかけてみることにした。

ここまで思うこと、滅多にないし。
街中でちゃらついた感じで声をかけるのとは、ぜんぜんちがう行為だろうし。
案外、気軽に応えてくれるかもしれないし。

「―不思議な映画でしたね」
「あっ、、、(笑顔)そうでしたね」
「でも、後味は悪くない」
「えぇ、話は暗いのに」
「新しい才能ですかね」
「うれしいです。ソフィア、俳優としていちど失敗してるから」

お!
これはいけるかもしれない。

というわけで、食事に誘ってみた。

なんという店かは忘れたが、そこそこお洒落なイタリアン。

互いのことを話すというより、ただただ映画のことを語り合った。
(その日、という意味でなく)いけそうな気がしたので、また映画の話をしませんかといってみたらば「はい、私でよければ」と返ってきた。

そうして、ほんとうに付き合い始めた。

トントン拍子過ぎやしねぇかい?
最後にオチが待っているんじゃねぇかい?
『クライング・ゲーム』(92)じゃないが、彼女は可愛い男子だった、、、とか。

自分だってそう勘繰ったが、そんなことはなかった。

なかったのだけれども、いつもどおり? 彼女とは3ヶ月くらいしか続かなかった。
自分、いつもそのくらいだからね。


なにがいいたいかっていうと。
「彼女、ほしいんですよー」
「童貞、卒業したいんですよー。いい風俗紹介してください」
とかいってくる後輩が増えたのだが、

うまくいく可能性もあるから、とりあえず気に入った子が居たら声かけてみようぜ、、、ということなんだ。





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明日のコラムは・・・

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コメント (1)
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