Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

こんにちは、スギさん

2017-02-03 00:10:00 | コラム
あと2週間も経てば、きっと、花粉症の症状が出始めることだろう。

面白いこと? に、症状は、目覚めたときに「きょうからだ…」と分かる。

吸い込んだ空気が、きのうとはちがうのだ。


自分が反応するのは、スギ花粉のみ。

だから、こんなタイトルにした。

半分は自虐、もう半分は「あきらめ」である。

ん?

どちらも、同じような意味か。


つまりは、開き直っているということで。

気持ちとしては、サガン(トップ画像)の名著『悲しみよこんにちは』の冒頭なのである。


意味が分からない?

うん、自分も意味が分からない。

ただこの複雑性こそが、花粉を待ち受ける患者の性なのだった。

…………………………………………

ものうさと甘さとがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しい、りっぱな名をつけようか、私は迷う。
その感情はあまりにも自分のことだけにかまけ、利己主義的な感情であり、私はそれをほとんど恥じている。

ところが、悲しみはいつも高尚なもののように思われていたのだから。私はこれまで悲しみというものを知らなかった。けれども、ものうさ、悔恨、そして稀には良心の呵責も知っていた。

今は、絹のようにいらだたしく、やわらかい何かが私に蔽いかぶさって、私をほかの人間から離れさせる。

…………………………………………

訳者の力も大きいが・・・

世界中の小説のなかで、漱石の『草枕』に次ぐ完璧な冒頭は『悲しみよこんにちは』だと思っている。


何度読み返しても、唸ってしまう。

狙って書いたのだろうが、自分の場合、文章は狙えば狙うほど(持ち味の?)リズムを失ってしまい、駄文になる。
肩の力を抜いていたほうが、躍る文章が書けると「何度も失敗して」気づいた。


話を戻して。

ほんとうは通院したほうがいいのだろうが・・・

とりあえず、これないと死んでしまう花粉対策の飴ちゃん、薬局で購入した「自分にいちばん適している」錠剤だけは準備した。

これで、「ひきつった」笑顔で「こんにちは」といえる、、、と思う涙





…………………………………………

明日のコラムは・・・

『とんだチキン野郎だぜ』
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする