Cape Fear、in JAPAN

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映画監督別10傑(36)森田芳光

2019-01-09 00:10:00 | コラム
~森田芳光のキャリア10傑~

天才モリタがすでに鬼籍に入っていることが、未だ信じられなかったりする。

亡くなったのは6年ほど前で、享年は61歳。

スコセッシやスピルバーグなど、70代のおじいちゃん監督が元気で映画を撮れている時代にあっては、あまりにも早過ぎる死だった。

ほとんどの映画ファンがそう感じたことは、この宇多丸さんのことばを聞けば分かる。




ところでモリタは鬼才と称されることが多かったが、自分は鬼才より天才のほうが適切だと思っている。

どちらにせよ映画的才能に溢れていたことはたしかで、たとえ作品が失敗したとしても、その失敗のしかたでさえ「モリタリズム」に貫かれているところがあって、あぁ映画監督ってこうありたいなぁ! と思わせてしまう魅力があるのだった。


(1)『家族ゲーム』(83)

いちばん笑える日本映画だと思う。

それにしてもこの集合写真、素敵だな~。





(2)『それから』(85)

自分の終生の愛読書を丁寧に映画化してくれた。

三千代役の藤谷美和子といい、ベストキャスティングだとは思うが、原作の視覚描写は映像化すべきだったのでは?



(3)『39 刑法第三十九条』(99)

刑法の問題点を真正面から論じた社会派の佳作。

堤真一がホンモノであるという認識は、この映画からだったな。

(4)『(ハル)』(96)

「パソコン通信」といわれていたころの、ネットを介した恋愛を描く。

モニター上で物語る巧さは、個人的には岩井俊二以上なんじゃないかと。



(5)『黒い家』(99)

貴志祐介の傑作ホラー小説を映画化。

大竹しのぶの怪演にも助けられ、強烈な印象を残す快作になった。

(6)『ときめきに死す』(84)

丸山健二の小説を大胆に改変し映画化、まずこのタイトルで得をしており、自分なんか観る前から「おもしろいにちがいない」と思い込んでいた。

少々分かりづらい展開はあるものの、ラストのジュリーが鮮烈なので細かいことはいいっこなしよ、、、ということで。

(7)『の・ようなもの』(81)

若手落語家を主人公とした青春映画。

長編デビュー作だが、その非凡さがいくつものシーンで確認出来る―といってみたものの、最初に観たのは高校生だったものだから、ソープ嬢役の秋吉久美子にしか目が行かなかった。
最近になって観返してみると、エドはるみが出ていて驚いた!

(8)『そろばんずく』(86)

人気絶頂だったコンビ・とんえるずを起用した、冗談のような青春映画。

ただ、冗談は冗談でも、武の『みんな~やってるか!』(95)より好きだったりする。



(9)『わたし出すわ』(2009)

「お金」にまつわる不思議なコメディ。

小雪が、ほかのどんな出演作よりも自然体で好感を持てた。

原作モノの映画化が得意のように思われていたが、これ観たら、もっとオリジナルも創ってほしかったなと思う。

(10)『キッチン』(89)

吉本ばななのヒット小説を映画化。

悪くはないが、みかげを演じた川原亜矢子が個人的に「ちょっと…」なひとで、だから物語に入りこめなかった。

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明日のコラムは・・・

『にっぽん女優列伝(92)貫地谷しほり』
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