Cape Fear、in JAPAN

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令和版・海外俳優列伝(56)カイル・マクラクラン

2023-02-18 00:10:00 | コラム
59年2月22日、、、まもなく誕生日の63歳。
アメリカ出身。

マクラクランといえば、デイル・クーパーFBI捜査官。


テレビシリーズ『ツイン・ピークス』(90~2017)の「表の」主人公。
ちなみに裏の主人公は、女子高生ローラ・パーマー。

俳優としてのキャリアの半分弱を、クーパーを演じることに捧げてきた。
ちがう表現をすれば、デヴィッド・リンチ監督の分身を演じるために俳優になった、、、と。

リンチとはもはや、一心同体なのです。


※当時を知らないひとに、日本における狂騒を伝えるのは難しい。
雑誌コーナーのほとんどがTP、旅行会社はロケ地のツアーを組み、すべてのひとが「観ているという前提」で制作されたCMまで登場した…しかし缶コーヒーはいかにも日本的な商品で、向こうのひとが飲むイメージはないよね(^^;)



<経歴>

ワシントン大学卒業。

舞台でキャリアを積んだのち、リンチに見初められて『デューン/砂の惑星』(84)で映画俳優デビューを果たす。
堂々の主演作、SF小説のなかでも「とくに人気」が高く特別な作品の映画化、しかも監督は俊英のリンチ!

しかし。
あまりにも壮大な物語を映像化するには若過ぎたのか、あるいは予算が足りなかったのか、時間が足りなかったのか。

けっしてつまらない作品ではない、、、のだけれど、小説を映像化「出来た」ようには思えぬ奇妙な映画が出来上がり、批評・興行の両面で「大」失敗。

リンチもマクラクランも「大」傷心、
しかしふたりは離れることなく「ともにリハビリ」を始め、86年に『ブルーベルベッド』が完成する。



拾った「ヒトの耳」を入り口にして、この世の暗部を覗く旅に出る主人公―結論としていえば、リンチは「すべて自分がコントロール出来る環境」を確保出来れば、まちがいなく傑作を放つということ。
『ツイン・ピークス』が打ち切りになってしまったのも、結局はABCテレビの監視下にあったからでしょう。
その点、『ツイン・ピークス』新章のほうは契約書に「絶対に横やりを入れないこと」と記したらしいからね、さすがだぜ!!

87年、低予算のSF『ヒドゥン』に主演。

ジョン・カーペンターが好みそうなアイデア満載の物語、これがウケて日本でもスマッシュヒットを記録する。



90年―再びリンチの分身となり、『ツイン・ピークス』が放送スタート。
ABCテレビで記録的な視聴率をたたき出し、鳴り物入りで日本上陸。
WOWOW開局の目玉作品でもあり、高校生だった自分は「なんでもするから!」と父に頭を下げ、母校で「いちばん最初にWOWOWに触れた高校生」になったのでした(^^;)
(92年には映画版が発表され、これまた大ヒットを記録する…が、当時は褒めるひとのほうが少なかった。自分も、そのひとり。しかし時間が経過し、新章に触れたあとに観返すと、なぜかすごく感動する傑作に生まれ変わっていた!!)


91年、ジム・モリソンの伝記映画をオリバー・ストーンが手がけた『ドアーズ』に出演、バンドメンバーの一員を好演する。

『フリントストーン/モダン石器時代』(94)、
しょーもない役を喜々として演じた『ショーガール』(95)、


ほかにも『小さな村の小さなダンサー』(2009)などの佳作出演はあるものの、やっぱりマクラクランといえば、リンチなのかなって。

新章の『ツイン・ピークス』も終え、
アル・カポネを独特な視点で描いた『カポネ』(2020)などでも健在を証明、最新作は『Pussy Island』…って、これまた気になるタイトルですなぁ^^

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明日のコラムは・・・

『令和版・海外俳優列伝(57)ガエル・ガルシア・ベルナル』
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