78年11月30日生まれ・44歳。
メキシコ出身。
この列伝では珍しい、おそらく英国より少ない、中南米出身の俳優さんの登場です。
ほんの数年前、メキシコがらみの映画が(軽い)ブームを巻き起こしました。
アルフォンソ・キュアロンの『ROMA/ローマ』(2018)が配信系であるにも関わらずオスカーの作品賞・外国語映画賞の双方にノミネートされ、
撮影監督エマニュエル・ルベツキが鬼才監督の我儘な要求に「完璧に」応えると人気を獲得。
ブームの先陣を切ったのがアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥで、この監督の『アモーレス・ペロス』(2000)に主演し注目を浴びたのがガエル・ガルシア・ベルナルさんです。
<経歴>
セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ卒業。
父・母、さらに弟さんも俳優という芸能一家。
そんな環境ゆえ子役としてデビューし、国内では大人気だったとか。
それでも演技を学び直すために名門校に入学したのですから、たぶん真面目なひとなのでしょう。
そんな名門に在学中の2000年、前述した『アモーレス・ペロス』で実質的な映画俳優デビューを飾る。
ほどよく切なく、ほどよくエロい良質な青春映画『天国の口、終りの楽園。』(2001)、
スペインの変人ペドロ・アルモドバルと組んだ『バッド・エデュケーション』(2004)、
チェ・ゲバラの青春期を描いた『モーターサイクル・ダイアリーズ』(2004)、
イニャリトゥ組の常連として『バベル』(2006)に参加したり次々と話題作に出演。
2007年には『太陽のかけら』で監督デビューも果たしました。
2008年、期待の俊英フェルナンド・メイレレスによるパニック大作『ブラインドネス』で「第三病室の王」と呼ばれる男を怪演。
この映画、もっと知られていいと思うんですよね。伊勢谷友介とか木村佳乃も出ているし。
ほかの出演作に・・・
『リミッツ・オブ・コントロール』(2009)、『ジュリエットからの手紙』(2010)、『WASP ネットワーク』(2019)、
そして評価すべきなのは、シャマラン監督の『オールド』(2021)。
一家の「あるじ」役ですが、「中南米系とは無関係」なキャラクターを演じることってすごく珍しいのですよね。
そして、そんなキャラクターに違和感を持たせていない。
キャスティングにセンスがありますし、ベルナルの自然な演技が「そんなこと、どうだっていい」と思わせてくれるのです。
これですよ、これ。
これが、いわゆるポリコレ(=ポリティカルコレクトネス)の理想的なありかたなんじゃないでしょうか。
最新作は、『ザ・マザー』(2023)。
この流れに乗って、弟さんも本格的な国際デビューを果たしてほしいですね!!
…………………………………………
明日のコラムは・・・
『令和版・海外俳優列伝(58)金城武』
メキシコ出身。
この列伝では珍しい、おそらく英国より少ない、中南米出身の俳優さんの登場です。
ほんの数年前、メキシコがらみの映画が(軽い)ブームを巻き起こしました。
アルフォンソ・キュアロンの『ROMA/ローマ』(2018)が配信系であるにも関わらずオスカーの作品賞・外国語映画賞の双方にノミネートされ、
撮影監督エマニュエル・ルベツキが鬼才監督の我儘な要求に「完璧に」応えると人気を獲得。
ブームの先陣を切ったのがアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥで、この監督の『アモーレス・ペロス』(2000)に主演し注目を浴びたのがガエル・ガルシア・ベルナルさんです。
<経歴>
セントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ卒業。
父・母、さらに弟さんも俳優という芸能一家。
そんな環境ゆえ子役としてデビューし、国内では大人気だったとか。
それでも演技を学び直すために名門校に入学したのですから、たぶん真面目なひとなのでしょう。
そんな名門に在学中の2000年、前述した『アモーレス・ペロス』で実質的な映画俳優デビューを飾る。
ほどよく切なく、ほどよくエロい良質な青春映画『天国の口、終りの楽園。』(2001)、
スペインの変人ペドロ・アルモドバルと組んだ『バッド・エデュケーション』(2004)、
チェ・ゲバラの青春期を描いた『モーターサイクル・ダイアリーズ』(2004)、
イニャリトゥ組の常連として『バベル』(2006)に参加したり次々と話題作に出演。
2007年には『太陽のかけら』で監督デビューも果たしました。
2008年、期待の俊英フェルナンド・メイレレスによるパニック大作『ブラインドネス』で「第三病室の王」と呼ばれる男を怪演。
この映画、もっと知られていいと思うんですよね。伊勢谷友介とか木村佳乃も出ているし。
ほかの出演作に・・・
『リミッツ・オブ・コントロール』(2009)、『ジュリエットからの手紙』(2010)、『WASP ネットワーク』(2019)、
そして評価すべきなのは、シャマラン監督の『オールド』(2021)。
一家の「あるじ」役ですが、「中南米系とは無関係」なキャラクターを演じることってすごく珍しいのですよね。
そして、そんなキャラクターに違和感を持たせていない。
キャスティングにセンスがありますし、ベルナルの自然な演技が「そんなこと、どうだっていい」と思わせてくれるのです。
これですよ、これ。
これが、いわゆるポリコレ(=ポリティカルコレクトネス)の理想的なありかたなんじゃないでしょうか。
最新作は、『ザ・マザー』(2023)。
この流れに乗って、弟さんも本格的な国際デビューを果たしてほしいですね!!
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明日のコラムは・・・
『令和版・海外俳優列伝(58)金城武』